長岡行政書士事務所監修
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「預貯金相続の手続きって難しそう…」
「手続きの際に必要な書類はなに?」
「預貯金相続の手続きの流れを教えて欲しい!」
上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。
遺産相続する場合、被相続人の現金や預貯金などさまざまな財産が対象になります。預貯金は1つの口座ではなく、複数の口座を持っているケースがあります。相続人は全ての口座を調べた上で、一定の手続きを踏まなければなりません。
今回は、預金相続の手続きの流れを解説します。この記事を最後まで読んだ方は、スムーズに預金相続の手続きが進められるでしょう。
被相続人の財産の1つである預金を相続するためには、一定の手続きが必要です。預金相続の手続きとは、口座の解約(解約後、各相続人の口座に振り分ける)や口座の名義変更(被相続人の口座の名義を、相続人の誰かに変更する)などの手続きを行うことです。主に、上記の2つの方法で手続きを進めるようになります。
預貯金相続の手続きは、事前に方法を決めておきます。一般的には、口座の解約を行うケースが多いです。相続人は被相続人の全ての口座を調査した上で、各金融機関で手続きを進めてください。
預貯金相続の手続きは、一定の手順を踏みながら行う必要があります。仮に、1つでも手続きを怠ってしまうと口座の解約や名義変更ができません。相続人は、各手続きを1つずつ進めながら、円滑に相続を行いましょう。
以下が、預金口座を解約(払戻し)の基本的な手順です。
・手順①:金融機関に申出・残高証明書の発行
・手順②:遺産分割協議の必要な情報を集める
・手順③:金融機関に提出する書類を用意
・手順④:預金の払戻しが完了
ここでは、手続きの手順を項目ごとにご紹介します。
まずは、口座の名義人が亡くなったことを金融機関に申し出ます。金融機関は、相続人の申し出により口座を凍結(使用や移動できない状態にする)を行います。凍結後、相続人は口座の残高証明書を取得したほうがいいでしょう、残高証明書は、被相続人の財産を確定させるために必要となる書類であり、他の相続人に対し遺産額の裏付けとなる書類です。
金融機関で残高証明書の請求をする際には、以下のものを用意してください。
・通帳(名義人の通帳)
・戸籍謄本(口座の名義人が亡くなったことを記載されている書類)
・戸籍謄本(手続きをする相続人の書類)
・実印(手続きをする相続人の印鑑)
・印鑑証明書(手続きをする相続人の印鑑証明書)
相続人は全てのものを用意し、手続きをしてください。
次に、被相続人の財産を相続するために必要な情報を集めます。遺産相続をする際は、以下の流れで進めましょう。
・遺言書の有無
・相続人の調査、確定
・財産の調査、確定
・遺産分割協議(※状況によって、行われないこともある)
・遺産分割協議の作成(※状況によって、作成しないこともある)
※金融機関の依頼書のみで足りる場合は協議書について必要がないことがある
複数の相続人がいる場合は遺産分割協議を行い、各財産を相続する人物を決めます。遺産分割協議の結果、相続人全員の合意が得られた内容を遺産分割協議書に記載します。遺産分割協議書を作成する際は、各相続人の署名と捺印が必須です。(厳密に言うと、署名ではなくて記名で足りますが、後々のトラブルを防ぐためには署名が望ましいです)
遺産分割協議書を作成後、相続人は解約の手続きに必要な書類を用意します。以下では、遺産分割協議書を作成している場合に金融機関へ提出する書類等を挙げています。
・通帳
・キャッシュカード
・実印(手続きをする相続人)
・印鑑証明書(手続きをする相続人)
・遺産分割協議書
・相続手続依頼書
・戸籍謄本(被相続人のもの)
・その他①(金融機関によって異なる書類)
・その他②(遺言書の有無や相続人によって、提出を求められる書類)
金融機関に提出する書類は、遺言書の有無や遺産分割協議などの状況によって異なります。また、金融機関によって提出する書類が異なるケースがあるため、事前に確認することをおすすめします。
最後に、金融機関に必要な書類を提出してください。提出した書類に不備がなければ、代表の相続人の口座へ預金が振り込まれます。(※各相続人に分割されるケースもある)
その後、遺産分割協議で決定した内容に沿って分割をします。相続人は各手続きを確実に行いながら、円滑に進めましょう。
上記では、遺産分割協議書を作成している場合の預金相続に必要な書類を紹介しました。ただし、他のケースでは預金相続に必要な書類が異なります。相続人は、状況に応じて必要な書類を集めてください。
預金相続の手続きを進める際は、以下のような状況が挙げられます。
・遺言書があるケース
・遺言書がないケース
ここでは、各ケースで必要になる書類を詳しくご紹介します。
相続手続きを進める上で、遺言書の有無の確認は必須の作業です。遺言書がある場合は、以下の書類等を金融機関へ提出します。
・通帳
・キャッシュカード
・実印(遺言執行者もしくは受遺者)
・印鑑証明書(遺言執行者もしくは受遺者)
・戸籍謄本(被相続人のもの)
・遺言書
・家庭裁判所の検認が証明できるもの
(公正証書の場合は不要)
・相続手続依頼書
・その他(金融機関によって異なる書類)
検認は遺言書の内容を確認し、偽造や変造を防止する手続きです。(※遺言書の有効・無効を判断するものではありません)
金融機関に提出する書類は状況によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
遺言書がある場合は圧倒的に提出書類を省略できます。
遺言書が無い場合は、以下の書類等を金融機関へ提出します。
・通帳
・キャッシュカード
・実印(代表の相続人)
・戸籍謄本(被相続人のもの)
・戸籍謄本(相続人全員)
・印鑑証明書(相続人全員)
・相続手続依頼書
・その他(金融機関によって異なる書類)
金融機関に提出する書類は異なるため、事前に確認することをおすすめします。また、手続きの方法が分からない相続人の方は口座の金融機関や専門家に相談しましょう。
預金の手続きをするタイミングとしては、早い段階がおすすめです。なぜなら、被相続人の口座を解約するためには一定の手続きが必要であるからです。また、口座が凍結されると預金を引き出せずに何かしらの支払いに影響が出る可能性があります。
例えば、口座の解約をする場合、遺言書の確認や相続人の調査・確定などさまざまな手続きを踏みます。相続人の調査や確定をする際は、被相続人の全ての戸籍謄本を集めなければならず、時間や労力がかかります。預貯金手続きには期限が定められていませんが、早い段階で行いましょう。
各相続人の生活費や葬儀費用などの理由で現金が必要となった場合に、遺産分割前に被相続者の預金を払戻しできる制度があります。この制度は、相続財産の一定額を金融機関から払戻しができます。
例えば、生活費と葬儀費用の支払いが重なり現金が不足した場合、一定の手続きを行えば預金の払戻しを受けられます。預貯金を相続する際は、金融機関に遺言書や遺産分割協議書などの必要な書類を提出しなければなりません。遺産分割前の相続預金の払戻しの制度も一定の書類を準備しますが、素早く払戻しを受けられるでしょう。相続人の中で制度を利用したい方は、金融機関や専門家に相談することをおすすめします。
この制度は「家庭裁判所の判断で払戻しができる制度」と「家庭裁判所の判断が要らずに払戻しができる制度」の2つに分かれています。相続人の払戻しできる金額は、双方で計算方法や判断が異なります。また、制度を利用する際に必要な書類も異なるため、事前に確認が必要です。
遺産分割前の相続預金の払戻しの制度については、別の記事で詳しくご紹介します。
弊所は、依頼者様に負担をかけないサービスを提供できるように取り組んでいます。ご依頼者様には印鑑1本を用意していただければ、遺産相続の手続きが完了できる仕組みを目指しています。ご依頼者様とヒアリングを行いながら、心の負担を軽減できるように努めています。
法律上、弊所では取り扱えない分野に関しては、各専門家の「税理士」・「司法書士」・「弁護士」にお繋ぎいたします。弊所は、最初から最後まで全力で依頼者様をバックアップします。
遺産相続の悩みや疑問を抱いている方は、専門家に相談してください。専門家は遺産相続に関する知識や経験を持っているため、円滑に問題を解決へ導きます。また、依頼者様に代わって、さまざまな手続きを行ってくれます。
例えば、遺産分割協議をする場合、専門家が依頼者様に代わって相続人や財産を調査を行い、素早く確定に導くことが可能です。相続人の人数が多い場合や所在地が不明な方がいる場合は、専門家に依頼することでスムーズに手続きを進められるでしょう。依頼者様は時間や労力を軽減しながら、適切な手続きを行えます。
今回の記事では、預金相続の手続きの流れをご紹介しました。預金相続の手続きを進める方は、遺言書の有無を確認することから始めましょう。仮に遺言書がない場合は遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成してください。遺産分割協議書は、預金相続の手続きを進める際に提出を求められるケースがあります。相続人は1つずつ手順を踏みながら、スムーズに預金相続を進めてください。相続に関する不安や悩みを抱えている方は、専門家に相談することをおすすめします。
長岡行政書士事務所代表
横浜市港南区に事務所を構え、過去500件以上の相続や遺言等の経験から、不安を抱えるお客様の直面している課題をいかに負担少なく解決するかを考え実現している。