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成年後見制度とは?2つの種類を解説

成年後見制度とは? 2つの種類を解説

成年後見制度には2種類の制度が存在する

「成年後見制度ってなに?」
「どのような制度なのか詳しく知りたい!」
「自らが利用できるのか教えて欲しい!」

上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。

成年後見制度は、安心かつ安全に日常生活を送るために必要な制度です。現在、判断能力に不安を抱えている方の中には、成年後見制度を利用しようと検討する方もいるでしょう。また、将来的に判断能力が不十分になった時のために備え、利用する方もいます。

今回は、成年後見制度について詳しく解説します。また、成年後見制度の2つの種類を項目ごとに見ていきましょう。この記事を最後まで読んだ方は成年後見制度を理解し、利用しやすくなるはずです。

成年後見制度とは

成年後見制度とは、判断能力の不十分な方を支援する制度です。判断能力が不十分になる理由としては、「認知症」・「知的障がい」・「精神的な障がい」などが挙げられます。

被後見人等(判断能力が不十分な方と覚えておきましょう)には後見人等が選任され、「財産管理」・「介護のサービス、施設への入所の手続き」・「遺産分割の協議」などさまざま面で保護や支援を受けられます。また、成年後見制度を利用することで、不利益な契約を結ぶリスクも回避できるでしょう。

成年後見制度は、判断能力の不十分な方の権利や財産を保護する制度と言えるでしょう。

2種類の成年後見制度

成年後見制度を利用する方は判断能力に不安を抱えている方だけではなく、将来の不安に供える方もいます。この制度は2種類に分かれており、それぞれの制度に違いがあります。以下が、成年後見制度を2種類に分けた場合の各制度です。

・法定後見制度
・任意後見制度

ここでは、法定後見制度と任意後見制度について、各項目をご紹介します。

法定後見制度

法定後見制度では、家庭裁判所が申立の事案ごとに成年後見人等を選任します。成年後見人等は、「成年後見人」・「保佐人」・「補助人」の3つに分けられ、それぞれに役目が異なります。

例えば、成年後見人に選ばれた場合は被後見人等に代わって、新たな契約を結んだり、取り消したりすることが可能です。成年後見人は保佐人や補助人に比べ、幅広い権限を持っています。

成年後見制度ではそれぞれに与えられる権利や権限が異なるため、混同しないようにする必要があるでしょう。

法定後見制度については、別の記事で詳しく解説します。

任意後見制度

任意後見制度は、判断能力がある状態で自らが後見人(任意後見人)を選んだり、行ってもらいたい内容を決めたりと事前に手続きをします。任意後見人に行ってもらいたいことに関しては、契約(任意後見契約)を結んで決定する形です。

例えば、被後見人等にあたる本人が将来的に不安を感じている場合、事前に後見人や具体的な契約内容を決めておきます。また、任意後見契約を結ぶ際は公正証書(公証人が作成する文章)を作ります。

任意後見契約の効力は、家庭裁判所に申し立てることによって生じます。申立人は「配偶者」・「四親等内の親族」・「任意後見受任者」が対象者です。さらに、本人も申立てができるため、状況に応じて手続きを進められます。申立後、家庭裁判所は任意後見監督人を選任する流れになります。

任意後見制度については、別の記事で詳しく解説します。

成年後見制度のメリット

成年後見制度のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

・被後見人に代わって信頼できる人物ができる
・被後見人の財産を管理してもらえる
・被後見人の判断能力によって、適切な人物が選ばれる
・不利益になる契約を結ばなくて済む
・被後見人の身上監護ができる
・将来に備えた契約が結ぶことができる(任意後見の場合)

成年後見制度を利用すると、さまざまなメリットがあります。また、介護サービスや施設への入所の手続きを進めることが可能です。成年後見人等が選ばれることで、幅広い手続きを進められるでしょう。

成年後見制度のデメリット

成年後見制度のデメリットとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

・手続きに時間と手間がかかる
・費用がかかる
・資産運用が制限される
・相続対策ができない
・後見人に負担がかかる

成年後見制度を利用する場合は、上記のようにいくつかデメリットがあります。申立てを行う際は一定の手続きを進める必要があり、時間や労力がかかってしまいます。また、費用もかかり、さまざまな負担が増えることもあるでしょう。

後見人が親族以外に選ばれた際は、報酬を支払わなければなりません。仮に親族が後見人に選任された場合は金銭的な負担が減る一方、契約の手続き等で負担が増える可能性があります。

成年後見人制度を利用する際はメリットとデメリットを把握し、手続きを進めるようにしてください。

成年後見制度を検討する主な場面

成年後見制度を検討する主な場面としては、以下のような場面が挙げられます。

・一人で契約や手続きができないケース
・詐欺被害に遭うリスクが高いケース
・親族の財産管理が杜撰なケース
・子供や身寄りの方がいないケース
・子供や身寄りの方がいる場合でも疎遠なケース

成年後見人制度は「法定後見制度」と「任意後見制度」に分かれており、利用する本人の状況によって選択が変わるでしょう。仮に判断能力が低下した状態では、法定後見制度を利用することで財産管理や身上監護を行ってもらえます。成年後見人制度を検討する場合は、総合的に判断した上で手続きをすることが重要になるでしょう。

成年後見制度を利用するケース

成年後見制度は被後見人になる方の判断能力の状態によって、保護や支援を受ける度合いが変わってきます。また、将来的に不安を抱えている方が利用する場合もあり得るでしょう。成年後見制度を利用するケースとしては、以下の状況が挙げられます。

・預貯金の解約・管理をする
・遺産相続、不動産を処分する
・介護保険を契約する
・身上監護をする

ここでは、成年後見制度を利用する4つのケースをご紹介します。

預貯金の解約・管理をする

1つ目は預貯金の解約や管理をするケースです。預貯金に関しては、基本的に本人しか手続きが認められません。(※預金相続で払戻しや名義変更などのケースは除く)

例えば、定期預金を解約したい場合、本人が手続きを進める必要があります。また、貯金を下ろす際にも本人が手続きを進めなければ、金銭を下すことができません。

成年後見人制度を利用すると成年後見人等が選任され、代理人として銀行の手続きを行えるようになります。成年後見人等は後見人の預貯金の解約から管理までできるため、必要な費用が発生した時に対応しやすいです。急な出費の際には、成年後見人等が代理人として手続きができ、後見人の生活に支障をきたさないでしょう。

遺産相続、不動産を処分する

2つ目は遺産相続・不動産をするケースです。被相続人の財産を受け継ぐ方の中に不十分な判断能力の方がいると相続の手続きを進められません。

例えば、遺産分割協議を行う場合、不十分な判断能力の相続人に成年後見人等が必要になります。また、被相続人の貯金名義を変更する際にも成年後見人等が必要になるケースもあるでしょう。

遺産相続の際には判断能力の度合いによって、相続人に成年後見人等がいなければなりません。相続ではさまざまな手続きを進めるため、成年後見人を決めておくとトラブルを防げるでしょう。

他にも不動産を処分するケースがあります。不動産を処分する際は、成年後見制度を利用することでスムーズに手続きを進められます。

介護施設に入居している方が所有する自宅や不動産の売却をする場合、成年後見人等が必要です。ただし、自宅の売却に関しては家庭裁判所の許可が下りなければ、処分をすることができません。

不動産の処分は代理人が手続きを進められないため、成年後見制度を活用すると良いでしょう。

介護保険を契約する

3つ目は介護保険を契約するケースです。介護施設への入所に必要な手続きや介護保険の契約は、当事者本人もしくは成年後見人等でなければできません。

将来的に介護施設への入所を検討している方は、成年後見人等を決めておきましょう。

身上監護をする

4つ目は身上監護をするケースです。身上監護とは、本人の生活環境を整えるために行う法的な手続きのことを指します。

例えば、病院への入院や住まいの確保などを行う際の手続きが挙げられます。他にも要介護認定の申請手続きも含まれ、さまざまな状況で必要となるでしょう。

円滑に手続きを進めたい方は、成年後見制度を検討してください。

弊所は依頼者様を全力でサポートします

弊所は、依頼者様に負担をかけないサービスを提供できるように日々業務に取り組んでいます。依頼者様には印鑑1本を用意していただければ、手続きが完了できる仕組みを目指しています。依頼者様とコミュニケーションを図りながら、心の負担を軽減できるように努めています。

弊所は最初から最後まで全力で依頼者様をバックアップし、悩みや問題を解決できるように尽力します。

成年後見に関する悩みや疑問は専門家に相談する

成年後見の悩みや疑問を抱いている方は、専門家に相談することをおすすめします。なぜなら、専門家は成年後見に関する知識や経験を持っているからです。また、さまざまなケースに応じた行動ができます。

例えば、依頼者様が成年後見に関することで問題を抱えている場合、迅速に対処したり、アドバイスしたりとサポートしてくれます。さらに依頼者様に代わり、手続きを代行することも可能です。依頼者様は過度なストレスを抱えることなく、手続きを進められます。

成年後見に関する悩みや不安がある方は、一度専門家に相談してみましょう。

弊所では過去数十人の方のお手伝いをしてまいりました。

結論

今回の記事では、成年後見制度について詳しく解説しました。成年後見制度は2種類に分かれており、利用する本人の状態によって選択が変わってきます。また、本人以外の方が家庭裁判所に申立することもあり得るでしょう。申し立てる場合は対象者が制限されているため、事前に確認してください。

成年後見制度は判断能力の低下した方だけではなく、将来的に不安を抱えている方も利用できる制度です。状況によっては、成年後見制度を利用した方が良いケースもあります。成年後見に関する不安や悩みを抱えている方は、専門家に相談することをおすすめします。

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