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行政書士が解説!任意後見契約で把握しておくポイントを紹介!

行政書士が解説! 任意後見契約で把握しておくポイントを紹介!

任意後見契約では4つのポイントを把握する

「任意後見契約をスムーズに進められるの…」
「どのようなことに気を付けるべきなのか…」
「任意後見契約で把握しておくポイントを教えて欲しい!」

上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。

任意後見契約は、被後見人と任意後見人(任意後見受任者)の間で交わされる契約です。被後見人は自らの意向に沿った後見内容を決めることができるため、将来への不安を解消できます。任意後見契約を結ぶ場合は、いくつかのポイントを把握した上で進めるとスムーズに手続きを完了できます。

今回は、任意後見契約を結ぶ際に把握しておくべきポイントを解説します。この記事を最後まで読んだ方は、正確かつスムーズに任意後見契約を結ぶことができるでしょう。

任意後見契約について

被後見人は任意後見契約等を結ぶことで、将来への不安や心配を解消できます。任意後見制度を利用する方は、事前に制度や契約について理解を深めておくとスムーズに手続きを進めることができます。

以下では、任意後見契約を理解するために必要な項目を挙げています。

・任意後見契約とは
・財産管理委任契約(任意代理契約)との違い

ここでは、任意後見契約について項目ごとに詳しくご紹介します。

任意後見契約とは

任意後見契約とは、任意後見制度を利用する際に結ばれる契約です。この契約は被後見人と任意後見人(任意後見受任者)との間で結ばれます。被後見人は、被後見人に行ってもらいたいことを後見内容に決め、書類に残します。

例えば、任意後見契約を結ぶ場合、被後見人が希望する項目をまとめた公正証書を作成します。被後見人は具体的な後見内容を記載することで、本人の意向に沿った財務管理やその他のサポートを受けられるのです。公正証書(※1)に明確かつ具体的な後見内容を記載すれば、将来的なトラブルを防ぐことも可能です。

任意後見契約は、任意後見制度を利用する時に必要不可欠な契約です。被後見人は具体的な後見内容を決めた上で、契約を締結させてください。

公正証書に関しては、別の記事で詳しく解説します。

(※1)公証人が作成する文書のことを指します。

財産管理委任契約(任意代理契約)との違い

任意後見契約と財務管理契約(任意代理契約)の違いは、「監督人の有無」・「公正証書の有無」・「契約内容を遂行するタイミング」の3つが挙げられます。財産管理委任契約(任意代理人契約)は、委任者本人の財産管理や生活のサポートなどを他人に任せられる契約のことを指します。

財務管理契約は任意後見契約と異なり、監督人を決める必要がありません。また、公正証書を作成せずに契約を締結できます。契約を締結後、業務が開始されるタイミングは財務管理契約の方が早くなっています。

任意後見契約は公正証書を作成したり、後見人の判断能力が低下した状況で申立てをしたりとさまざまな項目を満たさなければなりません。契約を締結する場合は、各手続きを1つずつ進めていきましょう。

財産管理委任契約は、任意後見契約と同時に結ぶことができます。委任者(被後見人)は双方の契約を結ぶことで、継続的に財務管理やその他の生活をサポートしてもらえます。

財産管理委任契約については、別の記事で詳しく解説します。

任意後見契約で把握すべきポイント

任意後見契約は、被後見人の意向に沿った内容・任意後見人を決めることができます。被後見人は、以下のポイントを把握した上で契約を進めましょう。

・ポイント①:任意後見人と後見内容を決める
・ポイント②:公正証書で契約を結ぶ
・ポイント③:任意後見契約の効力が生じるタイミング
・ポイント④:他の委任契約も合わせて検討する

ここでは、任意後見契約で把握するべきポイントを4つほどご紹介します。

ポイント①:任意後見人と後見内容を決める

1つ目のポイントは、任意後見人と後見内容を決めることです。任意後見契約は、被後見人の判断能力がある状態で結ぶことができます。また、被後見人は自らが任意後見の選任と後見内容を決められます。

例えば、面識のある方に財産管理や身上監護を任せたい場合、親族や親交の深い人物を選任することが可能です。また、後見内容も任意後見人と話し合いながら、被後見人の意向に沿った内容で決められます。

被後見人は自らの意向に沿った契約を結べるため、信頼できる人物の選任と後見内容を明確にしましょう。

ポイント②:公正証書で契約を結ぶ

2つ目のポイントは、公正証書で契約を結ぶことです。任意後見契約を結ぶ際には、公正証書を作成しなければなりません。公正証書を作成する際は公証役場に出向き、公証人が書類を作成します。仮に公証役場に出向けない場合は、公証人に出張してもらうことも可能です。

公正証書は、後見人本人と後見人受任者(後見人から選任された人物)と2人で公証役場に出向きます。2人は公証人の前で契約書に署名・捺印を行い、正式に契約を交わします。公正証書で契約を結ぶ際には、必要な書類(※印鑑登録証明書等)・手数料・印鑑を準備してください。

公正証書を作成する流れに関しては、別の記事で詳しく解説します。

ポイント③:任意後見契約の効力が生じるタイミング

3つ目のポイントは、任意後見契約の効力が生じるタイミングを把握することです。なぜなら、任意後見受任者は任意後見契約を結んだ後に業務を開始するわけではないからです。

例えば、将来型の任意後見契約を結んだ場合、被後見人の判断能力が低下した時に家庭裁判所へ申立てを行います。任意後見制度は本人もしくは申立人が申立てを行わなければ、開始への手続きが進みません。家庭裁判所は、申立人から申立てを受けた後に任意後見監督人を選任します。その後、任意後見監督人が選ばれた後に、任意後見人の業務が開始されるのです。

任意後見契約の3つの類型によって、効力が生じるタイミングに変わってきます。被後見人は各類型の特徴を把握し、自らに合った任意契約を結びましょう。

ポイント④:他の委任契約も合わせて検討する

4つ目のポイントは、他の委任契約も合わせて検討することです。なぜなら、任意後見契約だけでは被後見人へのサポートが不十分な部分があるからです。

例えば、任意後見制度が始まる前に信頼できる人物から財産管理やその他のサポートを受けたい場合、財産管理委任契約を締結しておきます。

財産管理委任契約は、任意後見制度が開始する前に利用できる委任契約です。身体的に不安を抱えている委任者は契約内容に任せたい内容を決めておくことで、受任者に代行してくれます。契約内容は自由に決められますが、法律に反しない行為に限ります。

委任者は、任意後見制度が開始される前に財産管理委任契約を検討してみましょう。

他にも死後事務委任契約を結んでおくと、委任者が亡くなった後の事務を受任者に任せられます。委任者は近隣に親族や親しい知人がいない場合でも、専門家と契約を結ぶことも可能です。自らが亡くなった後に不安を抱えている方は、死後事務委任契約を検討してみても良いでしょう。

任意後見契約を結ぶ際には、財産管理委任契約や死後事務委任契約などを同時に結ぶケースがあります。被後見人は自らの状態を踏まえ、利用できる契約を活用しましょう。委任契約について不明点や疑問点があれば、専門家に相談してください。

任意後見契約を含めた任意後見制度の手続きの流れ

任意後見制度を利用する方は、1つずつ手続きを進めていく必要があります。以下が任意後見契約を含めた任意後見制度の手続きの流れです。

1.任意後見制度の具体的な内容や利用する方法を知る
2.被後見人が制度の利用を検討する
3.被後見人が任意後見人(※任意後見受任者)を選ぶ
4.任意後見契約の後見内容を作成する(※被後見人の希望に沿った内容で作成が可能)
5.任意後見契約を締結する(※公正証書で作成する)
6.被後見人の判断能力が低下する
7.申立人等(※被後見人本人を含む)が申立てを行うのか検討する
8.申立人が家庭裁判所へ申立てをする
9.家庭裁判所が審判し、任意後見監督人を選定する
10.任意後見監督人が選任される
11.任意後見監督人の選任に伴い、任意後見契約の効力が生じる
12.任意後見人の業務が開始する(※任意監督後見人が監督をする)
13.任意後見人は任意後見契約に沿った業務を行う

被後見人本人以外の方の申立てにより、任意後見監督人選任の審判をする場合は、本人の同意がいります。(※ただし、本人が意思表示できない場合は、その限りではありません。)

申立人は「被後見人本人」・「配偶者」・「四親等内の親族」・「任意後見受任者」に限られています。被後見人の判断能力が低下した際は、申立ての準備を進めましょう。仮に判断に迷う場合は専門家に相談することをおすすめします。

弊所はご依頼者様を全力でサポートします

弊所は、ご依頼者様に負担をかけないサービスを提供できるように日々取り組んでいます。ご依頼者様には印鑑1本を用意していただければ、各種の手続きが完了できる仕組みを目指しています。また、ヒアリングを行いながらご依頼者様の心の負担も軽減できるように努めています。

弊所では法律上取り扱えない分野に関して、各専門家の「司法書士」・「弁護士」・「税理士」にお繋ぎいたします。ご依頼者様のご相談から完了するまで、全力でバックアップします。任意後見契約に関する悩みや不安を抱えている方は、一度弊所にご相談ください。

任意後見契約に関する悩みや疑問は専門家に相談する

任意後見契約に関する悩みや疑問を抱いている方は、専門家に相談しましょう。専門家は任意後見契約の知識や経験があり、円滑に手続きを進めてくれます。

例えば、任意後見に関する書類が必要な場合、専門家に依頼すると作成や手続きを進めてくれます。依頼者は時間や労力を省け、日常生活に支障をきたすことなく手続きを進められるでしょう。一人で問題を解決できない方は、専門家に相談してください。

結論

今回の記事では、任意後見契約で把握しておくべきポイントをご紹介しました。任意後見契約を含めた任意後見制度を利用する際は、どのような仕組みなのか理解するところから始めてください。任意後見契約を結ぶ際は、被後見人の意向に沿った後見内容と任意後見受任者(※被後見人が信頼できる人物)を決めましょう。また、契約書は公正証書で作成するようにしてください。手続きをする方は1つずつ手順を踏みながら、円滑かつ確実に進めましょう。任意後見契約に関する不安や悩みを抱えている方は、専門家に相談することをおすすめします。

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