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行政書士が解説!遺言書のデメリットとは?把握しておくべき項目を紹介!

行政書士が解説! 遺言書のデメリットとは? 把握しておくべき項目を紹介!

遺言書のデメリットを把握する

「遺言書を作成したいけど大丈夫なのかな…」
「デメリットってあるのか…」
「デメリットがあれば知りたい!」

上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。

遺言書は、相続や身分に関することで使用されます。遺言者は、自らの意向を記載した上で、法的に有効な遺言書を作成します。遺言書を作成することで、さまざまなトラブルを防ぐことが可能です。遺言書に興味を持っている方の中にはデメリットがあるのではないかと心配する方もいるでしょう。今後、遺言書を作成する方はメリットだけではなく、デメリットも理解した上で検討しましょう。

今回は、遺言書のデメリットをご紹介します。また、把握しておくべき項目も見ていきましょう。この記事を最後まで読んだ方は、遺言書を活用しやすくなるはずです。

遺言書について

遺言書は相続の際に影響を与えるものであり、存在の有無によって手続きも変わってきます。遺言者は、遺言書について理解を深めた上で作成することをおすすめします。以下では、遺言書の知識を深めるために2つの項目を挙げています。

・遺言書とは
・遺言書の効力

ここでは、遺言書について項目ごとにご紹介します。

遺言書とは

遺言書は財産や身分に関することに活用され、遺言者の意思表示をする書面のことを指します。遺言者は、法定相続人以外の人物に財産を譲ったり、遺言執行者を指定したりと自らの意思を遺言書に残すことが可能です。

例えば、法定相続人以外のAさんに遺産を譲りたい場合、その旨を遺言書に記載します。遺言者本人が亡くなった後、遺言執行者等(※指定している場合)が遺言書の内容に沿い、執行してくれます。

遺言書は財産や身分に関することに使用できるため、遺言者が亡くなった後のトラブルを回避できる手段と言えるでしょう。

遺言者は、遺言書の中で主に2つの種類(自筆証書遺言・公正証書遺言)から選ぶことが多いでしょう。(※1)
自筆証書遺言は自らが遺言書を作成する方法であり、必要事項(※2)を記入した上で押印を行います。この遺言書は遺言者本人の自宅で作成できるため、手間や時間がかかりません。

一方、公正証書遺言は遺言者本人ではなく、公証人(※3)が公証役場(※4)で作成します。作成する際は遺言者本人や公証人に加え、2名の証人が立ち会います。

公証人は、遺言者の真意を確認しながら、誤りのない遺言書を作成しなければなりません。作成後、公正証書遺言の原本は公証役場に保管されます。遺言者は、遺言書の紛失や偽造のリスクを回避できます。

遺言書を作成する場合は公正証書遺言を選ぶことで、安心感や効力がある遺言書を残せるでしょう。

(※1)他にも秘密証書遺言があります。ただし、使用される機会は多くありません。
(※2)日付、氏名、本文、押印を行う必要があります。
(※3)法務大臣が任命した法律に関する知識や経験を有している適任者のことを指します。
(※4)公証人が業務を行う事務所のことです。

遺言書の効力

遺言書には複数の効力があるため、財産や身分に関することを遺言者の意思表示を明確にできます。遺言者は遺言書に自らの意思を書面に残すことで、円滑に相続を進められるでしょう。

以下に、遺言書の効力を5つほど挙げています。

・遺言書の内容を執行する方を決められる
・財産を譲る方を決められる
・相続人の相続権を剥奪できる
・保険金の受取人を変更可能
・子どもの認知を行える

遺言者は、遺言書を作成する際に遺言執行者を指定することができます。(※1)(※2)
遺言執行者は、遺言者が亡くなった後に遺言書に記載された内容を執行する人物です。選ばれた人物は、遺言書の内容が実現できるように手続きを進められます。

例えば、法律に関する知識や経験がある人物に執行してもらいたい場合、行政書士等の専門職に依頼できます。その際は、事前に依頼する方に相談しておく必要があるでしょう。遺言者の内容を執行するためには、法律の知識や経験を持った人物の方がスムーズに進められます。

また、遺言執行者の指定を第三者に委託することもできます。仮に遺言執行者がいない場合は、相続人等が家庭裁判所に申立てを行うことで選任されます。遺言執行者は遺言者を執行するために大事な役割を担っており、業務に適した人物が望ましいでしょう。

(※1)民法1009条の規定により、未成年者や破産者は対象者から外れます。
(※2)遺言執行者は複数人選ぶことも可能です。

遺言書のデメリット

遺言書のデメリットとしては、費用や手間がかかることです。遺言者が遺言書を作成する場合、相続等に関することを考えながらどのようなタイプ(※1)にするのか決めなければなりません。

例えば、公正証書遺言を作成する場合、遺言者や親族等が公証役場に連絡(※2)したり、直接足を運んだり(※3)した上で公証人に依頼します。また、士業者や銀行を通し、遺言書の作成を依頼することも可能です。(※4)

遺言者は、遺言書の種類によって費用や手間がかかることを理解した上で、作成しましょう。

(※1)自筆証書遺言や公正証書遺言などが該当します。
(※2)電話やメールで連絡します。
(※3)予約を取った上で、公証役場を訪れます。
(※4)公証人に依頼する場合は、費用(手数料)がかかります。また、士業者に依頼する場合でも費用がかかるため、事前に確認しましょう。

遺言書を作成しないデメリット

遺言書は相続等でさまざまな効力があり、事前に作成しておくべきものです。遺言者は自らの意思表示を行った上で、相続人同士のトラブルのリスクを回避できます。ただし、被相続人の中には事前に遺言書を作成していないケースもあるでしょう。遺言書を作成していない場合は、以下のようなデメリットが挙げられます。

・デメリット①:相続人同士でトラブルになる
・デメリット②:遺産分割協議がまとまらない
・デメリット③:法定相続人以外に財産を譲れない
・デメリット④:手続きに手間がかかる
・デメリット⑤:財産が国のものになる

ここでは、遺言書を作成しないデメリットを項目ごとにご紹介します。

デメリット①:相続人同士でトラブルになる

遺言書を作成しないデメリットの1つ目は、相続人同士でトラブルになる可能性があることです。なぜなら、各相続人で意見が異なり、折り合いがつかないケースがあるからです。

例えば、遺産分割協議で相続割合について複数人で話し合っている場合、自らの取り分を多く主張する相続人がいると意見が対立する可能性があります。また、話し合いの結果、相続人全員の合意を得られずに相続の手続きができないこともあるでしょう。

相続では、相続人同士がトラブルになるケースがあります。そのため、遺言書を作成することで未然にトラブルを防ぎ、相続人同士の関係を良好に保つことができるでしょう。

デメリット②:遺産分割協議がまとまらない

遺言書を作成しないデメリットの2つ目は、遺産分割協議がまとまらないことがあることです。なぜなら、相続人同士の意見がまとまらず、全員から合意を得られないからです。
例えば、遺産分割協議を複数人の相続人で行った場合、AさんとBさんの意見が対立してしまい、話が進まないことがあります。また、1人だけ合意をせずにまとまらないケースもあるでしょう。遺産分割協議で相続人全員の合意がなければ、遺産分割協議書を作成できません。

遺言者は遺言書を作成することで、相続人同士のトラブルを防ぐ対策を取れます。相続において相続人同士がトラブルになり、険悪な関係になるケースもあります。そのため、事前に遺言者が遺言書を作成し、相続人が納得する意思表示を書面で残しておくことが望ましいでしょう。

デメリット③:法定相続人以外に財産を譲れない

遺言書を作成しないデメリットの3つ目は、法定相続人以外に財産を譲れないことです。なぜなら、遺産を相続する権利は法定相続人が有しているからです。

例えば、被相続人がお世話になった人に財産を譲りたい場合、遺言書がなければ遺贈できません。また、誤った遺言書を作成していると無効になってしまいます。

将来、法定相続人以外の方に財産を譲りたい方は、公正証書遺言で作成することをおすすめします。

デメリット④:手続きに手間がかかる

遺言書を作成しないデメリットの4つ目は、手続きに手間がかかることです。なぜなら、遺産分割協議等を行う必要があり、複数の手順に沿いながら相続を進めなければならないからです。(※1)

例えば、遺言書が無いため遺産分割協議をする場合、相続人や財産などを調査します。また、遺産分割協議において相続人全員の合意を得た上で遺産分割協議書を作成しなければなりません。その際は、相続人全員分を作成しそれぞれが保管することで、トラブルを防げます。

遺言者は遺言書を残すことで、相続人の手続きにかかる手間を省けるでしょう。ただし、遺言書がある場合でも遺産分割協議が行われることもあるため、気をつけてください。

(※1)相続人が1人の場合、遺産分割協議をする必要はありません。

デメリット⑤:財産が国のものになる

遺言書を作成しないデメリットの5つ目は、財産が国のものになることです。被相続人に相続人がおらず、第三者に財産を譲る旨を記載した遺言書が無い場合、国のものになります。仮にお世話になった人物に財産を譲ることを記載した遺言書がある場合は、その方に遺贈することになります。他にもお世話になった団体へ寄付も可能です。

遺言者は遺言書を残すことで、自らの意向に沿った方法で財産を遺贈できます。生前に遺言書を作成することを検討しましょう。

弊所はご依頼者様を全力でサポートします

弊所は、ご依頼者様に負担をかけないサービスを提供できるように取り組んでいます。ご依頼者様には印鑑1本を用意していただければ、手続きが完了できるサービスを目指しています。また、ヒアリングを行いながら、ご依頼者様の負担を減らせるように努めています。

弊所では法律上取り扱えない分野(業務外)に関して、「弁護士」・「司法書士」・「税理士」などの各専門家にお繋ぎいたします。ご依頼者様から事案の相談から解決に至るまでバックアップします。

遺言書に関する悩みや疑問は専門家に相談する

遺言書に関する悩みや疑問を一人で抱えている方は、一度専門家に相談してください。専門家は遺言書に関する知識や経験を有しています。そのため、円滑に問題を解決へ導くことができるでしょう。また、遺言書を作成するためにアドバイスや手配を行ってくれます。

例えば、遺言書を作成する場合、専門家に相談すると状況に応じた助言をもらえます。また、相続関係図の作成や戸籍の収集等を依頼することも可能です。ご依頼者様は遺言書に費やす時間や労力を減らしながら、遺言者の意向に沿ったものが作成できるでしょう。遺言書に関することで悩みを抱えている方は、専門家に相談しましょう。

結論

今回の記事では、遺言書のデメリットについて項目ごとにご紹介しました。遺言書は、作成するデメリットよりも作成しないデメリットの方が多いです。遺言者は遺言書を作成し、相続の際にトラブルが起きるリスクを減らしましょう。遺言書は公正証書遺言で作成することで、正確かつ安心したものができます。一人で悩みや不安を抱えている方は、一度弊所に相談ください。

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