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行政書士が解説!公正証書遺言の作成方法は?必要な書類も含めて紹介!

行政書士が解説! 公正証書遺言の作成方法は? 必要な書類も含めて紹介!

公正証書遺言の作成方法を理解する

「公正証書を作成したいけど、どうすればよいのか…」
「作成する際に必要な書類があるのか…」
「公正証書遺言の作成方法を知りたい!」

上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。

公正証書遺言は遺言書の中でも、法的に有効かつ効力のある遺言書です。遺言者は公正証書遺言を作成することで、安心できる遺言書を手に入れられるでしょう。ただし、公正証書遺言を作成する場合は手順に沿いながら、手続きを進めていく必要があります。今後、作成する方は手順を1つずつ把握しておくことをおすすめします。

今回は、公正証書遺言の作成方法についてご紹介します。また、必要な書類に関しても項目ごとに見ていきましょう。この記事を最後まで読んだ方は、効率的に公正証書遺言を作成できるでしょう。

公正証書遺言について

公正証書遺言は遺言書の1つであり、相続等の場面で使用します。遺言者は公正証書遺言を作成する前に、遺言書の基本的なことを理解しておきましょう。

以下では、公正証書遺言に関連する4つの項目に注目します。

・公正証書遺言とは
・公正証書遺言のメリット
・公正証書遺言のデメリット
・自筆証書遺言との違い

ここでは、公正証書遺言について項目ごとにご紹介します。

公正証書遺言とは

公正証書遺言は遺言者ではなく、公証人(※1)が遺言書を作成する遺言書です。遺言書を作成する場合は、公証役場(※2)に「遺言者本人」・「公証人」・「証人(※3)」が集まります。ただし、遺言者の体調等により自宅や病院に公証人が出張するケースもあり得ます。

公証人は遺言者から遺言の内容を口頭で伝えてもらい、本人の真意であるのか確認します。その後、遺言書の文章にまとめ、公正証書遺言を完成させるのです。文章をまとめた後に、遺言者と2名の証人が文章を確認し、誤りや修正点の有無をチェックします。問題がなければ、各人が署名と押印を行い、公正証書遺言の作成が完了します。(※4)

遺言者は公正証書遺言を作成することで、効力のある遺言書が手に入ることができます。また、公証役場において遺言書を保管してもらえるため、紛失や偽造などのリスクを避けることが可能です。

公正証書遺言は作成及び保管において、他の遺言書(自筆証書遺言や秘密証書遺言)に比べ、安心感を持てるでしょう。

(※1)法務大臣が任命する人物であり、法律の知識や経験を持っています。
(※2)業務を行う事務所のことです。
(※3)遺言者の真意や文章を確認する役割がある人物です。
(※4)公証人は職印を押印します。

公正証書遺言のメリット

公正証書遺言は公証人が作成するため、法的に有効かつ効力のある遺言書になります。(※1)さらに、遺言者にとっていくつかのメリットが存在します。

以下に、公正証書遺言を作成する4つのメリットを挙げています。

・メリット①:無効になりにくい
・メリット②:紛失・偽装されない
・メリット③:検認の必要がない
・メリット④:遺言者が自筆する必要がない

公証人が作成後、公証証書遺言は公証役場において保管されます。遺言書の保管期間は20年(※公証人法施行規則)と定められています。また、特別な事由がある場合、その期間の間は公証役場で保管しなければなりません。

自筆証書遺言では自宅において保管できますが、紛失や偽造に遭うリスクがあるでしょう。その点、公正証書遺言は公証役場で保管してもらえるため、安全かつ安心して管理を任せられます。

(※1)無効確認訴訟により、無効になる可能性もあります。

公正証書遺言のデメリット

公正証書遺言は複数のデメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。遺言者は公正証書遺言のメリットとデメリットの両面を確認しなければ、後悔することもあるでしょう。

以下に、公正証書遺言のデメリットを2つほど挙げています。

・デメリット①:費用と時間がかかる
・デメリット②:証人が必要になる

公正証書遺言は自筆証書遺言と異なり、2名の証人を選びます。また、2名の証人は公正証書遺言を作成する際に立ち会ってもらわなければなりません。証人を探す方法として、「自らが証人を探す」・「公証役場に紹介してもらう」・「専門家等に依頼する」が挙げられます。

遺言者は自らの状況に応じた方法で、2名の証人を選ぶ必要があるでしょう。

自筆証書遺言との違い

公正証書遺言は、自筆証書遺言と異なる点がいくつかあります。遺言者は2つの遺言書の違いを把握した上で、自らに合ったものを選んでください。

以下に、公正証書遺言と自筆証書遺言の違いについて5つのポイントを挙げています。

・ポイント①:有効性
・ポイント②:証人
・ポイント③:保管方法
・ポイント④:費用
・ポイント⑤:検認

公正証書遺言と自筆証書遺言の違いとして、有効性の有無があります。自筆証書遺言は遺言者本人が遺言書を作成するため、自らが内容の誤りを確認しなければなりません。また、遺言書の要件を満たさなければ、無効になります。(※1)

一方、公正証書遺言は公証人が法的に有効となる要件や方式を把握した上で作成しているため、無効になりにくいです。さらに、2名の証人の前で作成しており、法的に有効かつ効力のある遺言書になります。

公正証書遺言は自筆証書遺言より、無効になる可能性は低いと言えます。
(ただし、どちらにしろ効力の強弱はありません)

(※1)要件として、「日付」・「氏名」・「押印」・「本文」が挙げられます。

公正証書遺言の作成方法・流れ

遺言者は公正証書遺言を作成するために、一連の流れを把握しておく必要があります。その理由としては、公正証書遺言を作成する際には事前に準備することもあるからです。

以下では、公正証書遺言を作成する方法を4つの項目に分けています。

・ステップ①:メモを作る、必要な書類等を準備する
・ステップ②:公証人への相談・依頼
・ステップ③:遺言者と公証人との打ち合わせ・作成日の確定
・ステップ④:公正証書遺言を作成する(※作成日の当日)

ここでは、公正証書遺言の作成方法や流れを項目ごとにご紹介します。

ステップ①:メモを作る、必要な書類等を準備する

公正証書遺言を作成する遺言者は、事前に遺言の内容を記載したメモや必要な書類等を準備します。メモや書類等は公証人に提出しなければなりません。そのため、公証役場に予約を取る前に準備をしているとスムーズに手続きを進められるでしょう。

公正証書遺言を作成する際に必要となる書類として、以下のようなものが挙げられます。

・遺言者本人の印鑑登録証明書(※3カ月以内)(※1)
・戸籍謄本(※遺言者本人と相続人との続柄が把握できるもの)
・その他1(※2)
・その他2(※3)

(※1)「運転免許証」・「マイナンバーカード(※個人番号カード)」・住民基本台帳カードなどの顔写真付きの身分証明書が必要になるケースもあります。
(※2)相続人以外の方に遺贈する場合、遺贈者の住民票が必要です。仮に、法人の場合は法人の登記事項証明書(※登記簿謄本)を用意してください。
(※3)財産に不動産が含まれる場合は、登記事項証明書(※登記簿謄本)と固定資産評価証明書(※もしくは固定資産税等の課税明細書)が必要です。

遺言者は早めに必要な書類等を用意し、時間にゆとりを持ちましょう。不明点があれば、お住まいの近くにある公証役場に確認してください。

ステップ②:公証人への相談・依頼

公正証書遺言を作成する方法としては、「遺言者本人等が行う」と「士業や銀行に依頼する」の2つがあります。

遺言者本人が公証役場に出向いた上で手続きを進める場合、公証役場に連絡(電話やメールなど)を入れ、予約を取ります。予約日の当日、遺言者は公証役場に足を運び、公証人に依頼したり、相談したりします。この際には、遺言の内容のメモや必要な書類を提出してください。(※1)

遺言者は、自らの状況に応じた方法を選んでください。仮に、一人で行えない場合は行政書士等の専門家に依頼しましょう。

(※1)提出方法としては、「公証役場へ持参」・「メール」・「ファックス」・「郵送」などが挙げられます。

ステップ③:遺言者と公証人との打ち合わせ・作成日の確定

公証人は遺言者から提出されたメモや必要な書類を確認します。その後、公正証書遺言の原案を作成します。そして、遺言者へ原案をメール等で提示し、内容を確認してもらいます。(※内容に誤りがある場合は、公証人に修正してもらってください。)

公正証書遺言の案が確定した後、公証人は遺言者と打ち合わせを行い、作成日を確定させます。(※1)また、作成日が決定すると同時に手数料も確定します。公証人は遺言者に対し、確定した手数料を伝え、作成日の当日に持ってきてもらいます。

(※1)打ち合わせ場所は、公証役場もしくは遺言者の自宅や病院等になります。公証人が出張するケースもあります。

ステップ④:公正証書遺言を作成する(※作成日の当日)

予約日の当日、遺言者は公証役場(※1)において、公証人と2名の証人とともに作成します。遺言者は公証人と2名の証人の前で、遺言の内容を口頭で伝えるのです。

公証人は、その内容が遺言書の真意であるのか確認します。その後、原案に基づき作成していた公正証書遺言の原本を遺言者と2名の証人の前で確認してもらい、誤りの有無をチェックします。(※2)(※3)

公正証書遺言の原本に誤りがない場合は、遺言者と2名の証人が公正証書遺言の原本に署名・押印します。さらに、公証人も公正証書遺言の原本に署名と職印を押印し、完成します。(※4)

(※1)遺言者の体調等により、自宅や病院で作成することもあります。
(※2)原本を見てもらったり、聞いてもらったりします。
(※3)修正の部分があれば、その場で行うこともあります。
(※4)遺言書を作成する場合、利害関係人には席を外してもらいます。

弊所はご依頼者様を全力でサポートします

弊所は、ご依頼者様に負担をかけない迅速かつ丁寧なサービスを提供できるように日々取り組んでいます。ご依頼者様には印鑑1本を用意していただければ、手続きが完了できる仕組みを目指しています。また、ご依頼者様とヒアリングを行いながら負担を減らすことができるように努めています。

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遺言書に関する悩みや疑問は専門家に相談する

遺言書に関する悩みや疑問を抱えている方は、一度専門家に相談してください。専門家は遺言書に関する知識や経験を持っており、的確なアドバイスを行えます。また、迅速に事案を解決できるようにサポートしてくれます。

例えば、遺言書を作成する場合、専門家に依頼することで円滑に手続きを進めてくれます。また、各所への連絡や手配なども行ってくれます。ご依頼者様は手続きに費やす時間や労力を減らしながら、効力のある遺言書を作成できるはずです。遺言書に関する悩みや不安を抱えている方は、専門家に相談しましょう。

結論

今回の記事では、公正証書遺言の作成方法についてご紹介しました。遺言者が公正証書の手続きを進める場合は、事前にメモを作ったり、必要書類を用意する必要があります。その後、公証役場に連絡をするとスムーズに手続きを進められるでしょう。遺言者は、自らが納得できる公正証書遺言を作成できるように早めから用意を行ってください。一人では手続きができない場合は、行政書士等の専門家に相談することをおすすめします。

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