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行政書士が解説!成年後見人等に選任された後の流れや業務内容を紹介!

行政書士が解説! 成年後見人等に選任された後の流れや業務内容を紹介!

成年後見人等は被後見人の生活を維持するために大事な存在

「成年後見人等に選ばれたけど、どうしたら良いのか…」
「選任された後の流れが分からない」
「成年後見人等の業務内容を教えて欲しい!」

上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。

法定後見制度では利用者(被後見人)の判断能力によって、支援者が決まります。支援者である成年後見人等は3つに部類され、それぞれに与えられる権限や権利が異なっています。法定後見制度を利用する場合は、それぞれの役割を把握しておく必要があるでしょう。また、成年後見人等に選ばれた時に備え、手続きの流れや業務内容を把握しておくと良いでしょう。

今回は、成年後見人等に選任された後の流れや業務内容を解説します。この記事を最後まで読んだ方は、成年後見人等を正しく理解できるでしょう。

成年後見制度とは

成年後見制度は、判断能力の不十分な方(※1)を支援者が支援する制度です。判断能力の不十分な方(今後は被後見人と呼びます。)は、家庭裁判所が選任した成年後見人等に財務管理や身上監護などを受けることができます。

例えば、成年後見人が選任された場合、生活を維持するために必要になる契約を結んだり、被後見人にとって不利益な契約を取り消したりとさまざな面で支援や保護を行います。被後見人は、制度を利用することでリスクを回避できるでしょう。成年後見制度は、判断能力の不十分な方を守るために有効な制度です。

被後見人が成年後見制度を利用する場合、法定後見制度と任意後見制度のどちらかの制度を選びます。任意後見制度は、利用者の判断能力がある状態で利用できます。また、後見内容や後見人を自由に選ぶことが可能です。成年後見制度を利用する場合は、被後見人にとって利用しやすい制度を選択しましょう。

(※1)認知症、知的障がい、精神的な障がいなどの理由があります。

成年後見制度の3つの類型

法定後見制度には、「後見類型」・「保佐類型」・「補助類型」の3つの類型があります。家庭裁判所は申立人から申立てを受けた後に、被後見人の判断能力によって類型と支援する人物を決定します。

例えば、被後見人がさまざまな手続きや契約などを単独で決定することが難しい場合、成年後見人が選任されます。成年後見人は他の後見人よりも権限や権利を有しており、被後見人の財産や生活を守る役割を担っているのです。ただし、状況によっては成年後見人の権利が認められないケースもあります。(※1)

法定後見制度を利用する方は、3つの類型から適した後見人等や人物を家庭裁判所に選任してもらえます。さらに、成年後見人が複数選ばれたり、成年後見監督人(※2)を選任したりと制度を利用しやすい仕組みになっています。(※3)

申立人は家庭裁判所の判断や手続きの手順に従いながら、利用への準備を進めてください。

(※1)日常生活に関連する行為については、成年後見人に取り消しを認めていません。
(※2)成年後見人等を監督する人物のことを指します。
(※3)家庭裁判所の判断によって、選任されないケースもあります。

成年後見人等の業務内容

成年後見人等は、被後見人の生活を維持するためにサポートを行います。支援する内容は、選任される成年後見人ごとに権限や権利が決められています。

以下では、成年後見人等の主な業務内容を挙げています。

・財務管理
・身上監護
・家庭裁判所への報告

ここでは、成年後見人等の業務内容について項目ごとにご紹介します。

財務管理

成年後見人等が担っている業務の1つ目は、財務管理があります。財務管理の業務では、被後見人の財産を代わりに管理しながら適切に使用します

管理する財産としては、主に以下の項目が挙げられます。

・現金、預貯金、有価証券等の管理
・不動産等の管理
・収入や支出の管理
・税金に関する申告
・納税や年金の受領

成年後見人等は、被後見人の財産を守らなければなりません。ただし、被後見人の生活に必要なことに関しては新たな契約を結ぶこともケースもあるでしょう。(※1)

成年後見人等は状況に応じ、適切な管理を行ってください。

(※1)被後見人の居住用不動産の処分をする場合は、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

身上監護

成年後見人等が担っている業務の2つ目は、身上監護です。身上監護は、被後見人の生活に必要となる介護や治療などを受けられるように手続きをする行為のことを指します。

例えば、被後見人が介護の施設に入居する場合、成年後見人が契約の手続きを締結させます。また、費用の支払い等の手続きも行うことも可能です。成年後見人は、被後見人の生活を維持するためにさまざま手続きをする業務を負っています。

ただし、成年後見人等にできない業務として、「食事の世話をすること」や「介護をすること」が挙げられます。この場合は成年後見人等ではなく、専門の方(※ホームヘルパー等)に依頼します。

成年後見人等は、与えられた権限や権利の範囲内で被後見人をサポートします。

家庭裁判所への報告

成年後見人等が担っている業務の3つ目は、事務の報告です。成年後見人等は年1回(※1)、家庭裁判所または後見監督人等に後見等事務の報告を行わなければなりません。仮に、後見監督人等が選任されている場合は提出方法等の指示を受け、監督人等に報告してください。(※2)その後、後見監督人等が家庭裁判所へ報告を行います。

以下が、家庭裁判所もしくは後見監督人等に提出する書類一覧です。

・報告書(後見等事務報告書)
・財産目録
・添付の資料(預貯金通帳の写し等)
・その他(提出が必要となる資料)

参照元:裁判所
URL:https://www.courts.go.jp/tokyo-f/vc-files/tokyo-f/kouken/2300R0404.pdf

成年後見人等は適切に業務を遂行しましょう。また、定期的に報告することを忘れないようにしてください。(※3)

(※1)事前に決められている時期までに提出します。
(※2)後見監督人等は必ず選任されるわけではありません。
(※3)違反をした場合、成年後見人等を解任されることもあり得ます。

成年後見人等に選任された後の流れ

成年後見人等に選任された場合、業務を開始する前にするべきことがいくつかあります。本格的に業務が開始する前にさまざまな準備をすることで、スムーズに事務を進められるでしょう。

以下が、成年後見人等に選任後の主な3つのやるべき項目です。

・被後見人の財産の調査、把握をする
・計画と予算を立てる
・財産目録と収支予定表を作成、提出をする

ここでは、成年後見人等に選任された後の流れを項目ごとにご紹介します。

被後見人の財産の調査、把握をする

まずは、成年後見人等が被後見人の財産の調査を行い、把握することを始めます。なぜなら、成年後見人等が被後見人の財産を管理するためには正しい情報を把握しておく必要があるからです。

例えば、被後見人の財産を把握していれば、本人に適した支援の方法や計画を立てられます。成年後見人等は被後見人に適した生活水準を考慮することが大事になるでしょう。

調査する内容としては、以下の項目が挙げられます。

・収入(給与や年金など)
・支出(生活費や医療費など)
・資産(預貯金や不動など)
・負債

成年後見人等は、被後見人の財産を十分に調査しましょう。また、成年後見人等以外の方が財産を管理している場合は、引き継ぎを行ってください。

計画と予算を立てる

次に、成年後見人等は被後見人の生活や支援の方法を考え、今後の計画と予算を立てます。計画や予算を立てる場合には財産の管理を含め、介護や入院に関する契約についても検討します。さらに、1ヶ月にかかる費用の予算を立ててください。(※1)

成年後見人等は調査した内容を基に、計画と予算を立てましょう。

(※1)後見予算と呼びます。また、成年後見人等がその業務でかかった費用を後見事務費と言います。

財産目録と収支予定表を作成、提出をする

最後に、成年後見人等が家庭裁判所へ被後見人の財産目録と本人収支表を提出します。(※1)書類等を提出する際は定められた期限内に行ってください。

財産目録は、「預貯金の通帳」・「保険証書等」・「登記事項証明書等」などの最新情報から作成しましょう。さらに、後見事務報告書とともに提出するようにしてください。(※2)仮に、新たに財産等が見つかった際は、その資料のコピーを提出することを忘れないようにしましょう。

成年後見人等は、定められた期限内に手続きを進めてください。

(※1)選任した際の通知に同封されています。
(※2)資料等は原本やコピーを提出することもあるため、整理した上で保管してください。

成年後見人等に選ばれる方

成年後見人等に選ばれる方としては、親族や専門家(※1)などが該当します。選ばれる方は、特別な資格を持っている必要がありません。(※2)家庭裁判所が適した人物を選定し、成年後見人等を決定します。また、状況により成年後見人等以外に後見監督人等も選任されるケースもあります。

成年後見人等や後見監督人等は家庭裁判所が選任します。申立人は、自らが希望する人物にならない可能性があります。さらに、不服申し立てをすることができません。(※3)法定後見制度では家庭裁判所によって、成年後見人等が選ばれることを覚えておきましょう。

(※1)行政書士、司法書士、弁護士、社会福祉士などの人物が該当します。
(※2)選任されない事項に該当する人物を除きます。
(※3)辞任や解任のケースでは、成年後見人等が変更することもあり得ます。

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成年後見に関する悩みや疑問は専門家に相談する

成年後見に関する悩みや不安を抱いている方は、専門家に相談してください。専門家は成年後見に関する知識や経験を有しており、各事案に応じた解決策を提案できます。また、ご依頼者様に代わり、各種の手続きを行ってくれます。

例えば、専門家に相談した場合、さまざまなアドバイスを受けられます。また、ご依頼者様に合った解決方法を提案してくれるでしょう。ご依頼者様は、専門家に相談することで成年後見制度に関する時間や労力を軽減できます。

成年後見に関する問題を抱えている方は、一度専門家に相談しましょう。

結論

今回の記事では、成年後見人等に選任された後の流れや業務内容を解説しました。成年後見人等は選任された後、手順に沿って業務を進めましょう。家庭裁判所に提出する書類等に関しては、最新情報や指定の用紙に記入の誤りが無いことを確認してください。また、指定の期限内に書類を提出しましょう。成年後見に関する不安や悩みを抱えている方は、専門家に相談してください。

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