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行政書士が解説!任意後見契約とは?3つの類型を紹介!

行政書士が解説!任意後見契約とは? 3つの類型を紹介!

3つの類型がある任意後見契約

「任意後見契約とはなにか…」
「3つの類型があるけど、どのような違いがあるのか知りたい!」
「任意後見契約について、詳しく教えて欲しい!」

上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。

任意後見契約は、任意後見制度を利用する際に結ばれる契約です。この契約は被後見人と任意後見人(任意後見受任者)の間で結ばれ、後見内容についてさまざまなことを決めます。被後見人は後見内容を明確にしておくことで、将来への不安や心配を解消することができるでしょう。

今回は、任意後見契約について3つの類型をご紹介します。この記事を最後まで読んだ方は、自らに合った任意後見契約を結べるでしょう。

任意後見契約について

任意後見契約は、任意後見制度を利用する上で必要不可欠な事項です。被後見人は任意後見契約を結ぶために、以下の項目を理解しておく必要があります。

・任意後見制度とは
・任意後見契約とは
・財産管理委任契約とは

ここでは、任意後見契約について項目ごとにご紹介します。

任意後見制度とは

任意後見制度は被後見人の判断能力がある状態で、将来に備えた内容の契約(※1)と支援者(※2)を決める制度のことを指します。この制度は法定後見制度と違い、被後見人本人が自由に契約内容(※3)や支援者を決められるため、自らの意向を尊重できます。

例えば、被後見人が希望する医療や介護のサービスがある場合、任意後見契約の内容に記載しておきます。医療機関や介護施設を指定したい時は具体的な病院名や施設名を記載することで、支援者に伝わりやすくなります。さらに、支援者は自らの信頼できる人物を選べるため、親族や知人から選任することも可能です。(※支援者は一人ではなく、複数人を選任できます。)

任意後見制度は将来に備えた制度であり、被後見人の不安を取り除くことができます。また、被後見人の家族への負担も軽減できるでしょう。将来、自らの意向に沿った支援や保護を受けたい被後見人は、任意後見制度を検討しましょう。

(※1)任意後見契約  
(※2)任意後見人・・・任意後見制度が開始するまでは、任意後見受任者と呼びます。
(※3)法律に反しない行為のみ

任意後見契約とは

任意後見契約とは、任意後見制度を利用する際に被後見人と任意後見人(任意後見受任者)との間で結ばれる契約です。被後見人は将来的に実施して欲しいことを契約内容に記載し、書面に残しておきます。

例えば、被後見人が積極的な投資を行いたい場合、具体的な投資方法や財産管理に関することを決められます。任意後見契約は被後見人の意向に沿った後見内容を決められるため、将来への不安を解消できる契約と言えるでしょう。

任意後見契約を結ぶ場合は、公正証書(※1)で作成する必要があります。公正証書は重要な契約を結ぶ際に有効な方法であり、証明力や安全性などを持っています。被後見人は公正証書を作成し、具体的かつ正確な後見内容を残してください。

公正証書に関しては、別の記事で詳しく解説します。

(※1)公証人が作成する文書のことを指します。

財産管理委任契約(任意代理契約)とは

財産管理委任契約とは、自らの財産管理や生活のサポートなどを他人に依頼できる契約のことです。この契約は任意代理人契約とも呼ばれています。委任者は判断能力を有している状態であっても、契約を結べます。また、契約内容は自由に決められるため、委任者の意向を反映できます。(※法律に反しない行為に限ります)

例えば、身体的な理由で財産管理に不安を感じている場合、財産管理委任契約を結ぶことで委任者に代わって、第三者(受任者)に一定の行為をしてもらえます。さらに、財産管理だけではなく、生活面でサポートを受けることも可能です。委任者は予め契約内容に生活面のサポートに関することを記載しておく必要があるでしょう。

財産管理委任契約は、判断能力のある状態でも結ぶことが可能です。委任者は受任者に行って欲しいことを具体的に決めておきましょう。また、任意後見契約と同時に結ぶことで継続的にサポートを受けられます。委任者は自らの状態や将来的なことを踏まえながら、新たな契約を結んでください。

財産管理委任契約については、別の記事で詳しく解説します。

任意後見契約と財産管理委任契約(任意代理契約)との違い

任意後見契約と財産管理委任契約(任意代理契約)との主な違いとしては、「監督人の有無」が挙げられます。

財産管理委任契約は委任者と受任者の間で結ばれるため、監督人が要りません。委任者は自らが監督人として、受任者の行為を監督しなければならないのです。そのため、委任者は受任者が契約内容に沿った行為を行っているのか、定期的に確認・報告を受ける必要があるでしょう。

その一方、任意後見人契約では監督人を選任しませんが、任意後見制度を利用する際に家庭裁判所で任意後見監督人を選任します。任意後見監督人は任意後見人を監督する立場であり、一定期間ごとに報告書等を受け取ります。その後、任意後見監督人は裁判所に任意後見監督事務報告書を提出するのです。任意後見制度では定期的に業務を報告する義務があるため、不正行為に気付いたり、未然に防いだりと効果があります。

他にも任意後見契約と財産管理委任契約の違いは、「契約内容が実行されるタイミング」や「公正証書の有無」が挙げられます。双方の契約を検討している方は、それぞれの違いを把握した上で締結しましょう。

3つの類型の任意後見契約

任意後見契約は被後見人の意向に沿った後見内容や任意後見人を決められるため、将来への不安を解消し、安心できる要素を増やせます。被後見人は3つの類型の中から自らに適した任意後見契約を結ぶ必要があります。

以下が3つの類型の任意後見契約です。

・①移行型
・②即効型
・③将来型

ここでは、3つの類型の任意後見契約を項目ごとにご紹介します。

①移行型

1つ目の移行型は任意後見契約を締結するタイミングにおいて、同時に財産管理委任契約や見守り契約も結ぶことです。この手段を取った場合、被後見人本人の体調によって、財産管理を受任者に代行してもらえます。また、日頃から被後見人の判断能力の状態を確認することが可能です。仮に判断能力が低下した際は、任意後見契約に移行する流れです。

移行型の任意後見契約は他の類型に比べ、被後見人の財産管理や生活のサポートを長期間行えます。さらに、死後事務委任契約を結んでいると、受任者に被後見人が亡くなった後の事務を任せられます。

被後見人は自らの体調を踏まえながら、移行型の任意後見契約を検討しましょう。弊所では、移行型の任意後見契約に力を入れており、スムーズな手続きを進められます。移行型の任意後見契約を検討している方は、弊所にご相談ください。

死後事務委任契約については、別の記事で詳しくご紹介します。

②即効型

2つ目の即効型は、任意後見契約を締結し直ちに任意後見制度を利用することです。即効型は、既に被後見人の判断能力が低下している状態の時に行います。この類型は将来型とは異なり、契約から利用するまでの期間がありません。被後見人の希望に沿った後見内容や任意後見人を決めたい場合は、即効型を選択してください。

仮に法定後見制度を利用した場合、家庭裁判所が成年後見人等を選任します。さらに、選任された成年後見等によって後見内容も決定します。被後見人は、自らの意向を尊重できない点で不自由さを感じることもあるでしょう。

③将来型

3つ目の将来型は、被後見人の判断能力が低下した時に備えた任意後見契約を結ぶことです。被後見人は判断能力がある時に任意後見人(任意後見受任者)の選任と後見内容の決定を行います。

契約後、被後見人本人の判断能力が低下した場合、申立人が家庭裁判所に申立てを行い、任意後見監督人を選任します。任意後見人は任意後見監督人に対し、定期的な報告を行いながら、被後見人の支援や保護を進めていくのです。

任意後見人に選ばれる方は、被後見人の親族もしくは信頼できる人物を選任することが多くなるでしょう。選ばれた人物が被後見人の住まいから遠い地域に住んでいる時は、見守り契約等を結び、定期的に被後見人本人の健康状態を確認できるようにしましょう。

任意後見契約が開始するタイミング

任意後見契約は、任意後見制度を利用するタイミングで開始されます。申立人(※1)は被後見人の判断能力の低下を確認し、家庭裁判所に申立てを行います。申立てを受けた家庭裁判所は審判を行い、任意監督後見人の選定を始めるのです。その後、選任された任意後見監督人の下、任意後見人の業務が開始されます。任意後見人は後見内容に沿った支援や保護を行いながら、被後見人の財産管理や身上監護をします。

(※1)申立人・・・「被後見人本人」・「配偶者」・「四親等内の親族」・「任意後見受任者」

弊所はご依頼者様を全力でサポートします

弊所は、ご依頼者様に負担をかけないサービスを提供できるように取り組んでいます。ご依頼者様には印鑑1本を用意していただければ、手続きが完了できる仕組みを目指しています。また、ヒアリングを行いながらご依頼者様の心の負担を軽減できるように努めています。

弊所では法律上取り扱えない分野に関して、各専門家の「弁護士」・「税理士」・「司法書士」にお繋ぎいたします。案件のご相談から完了するまで、ご依頼者様をバックアップします。

弊所は、過去に数十人の方の案件に携わってきました。任意後見制度の悩みや不安を抱えている方は、一度弊所にご相談ください。

任意後見契約に関する悩みや疑問は専門家に相談する

任意後見契約の悩みや疑問を抱いている方は、専門家に相談することをおすすめします。専門家は任意後見制度の知識や経験があり、円滑に問題を解決へ導きます。また、ご依頼者様に代わり、各種の手続きを行うことも可能です。

例えば、任意後見契約に関する書類が必要な場合、専門家に依頼することで作成や手続きを進めてくれます。ご依頼者様は、日常生活に支障をきたすことなく手続きを進められるでしょう。一人で問題を解決できない方は、専門家に相談してください。

結論

今回の記事では、任意後見契約の3つの類型をご紹介しました。任意後見契約は3つの類型に分かれており、被後見人の状態や考え方によって選ぶことができます。3つの類型の中で移行型の任意後見契約が利用しやすくなっており、おすすめの方法です。将来、任意後見制度を検討している方は、制度の利用前に財産管理や他のサポートを任せられる財産管理委任契約や見守り契約も同時に締結してみても良いでしょう。任意後見契約に関する不安や悩みを抱えている方は、専門家に相談することをおすすめします。

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