長岡行政書士事務所監修
長岡行政書士事務所監修
「公正証書遺言って、なに?」
「どのようなメリットがあるの気になる!」
「公正証書遺言を詳しく知りたい!」
上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。
公正証書遺言は、相続等の場面で使用する遺言書の1つです。公正証書遺言は遺言書の中でも最もリスクが低く、有効に活用できるものです。遺言者は相続等の場面で活用することで、確実かつ安心した遺言書を残すことができます。今後、公正証書遺言を使用する方は、基本的な知識を身につけた上で、作成しましょう。
今回は、公正証書遺言についてご紹介します。また、5つのメリットに関しても項目ごとに見ていきましょう。この記事を最後まで読んだ方は、効率的に公正証書遺言を作成できるでしょう。
遺言書は、遺言者の意思表示を書面として残すものです。遺言者は財産や身分に関することを遺言書に記載することで、自らの意思に沿った相続等を進められます。
以下では、遺言書に関する2つの項目に注目します。
・公正証書遺言について
・自筆証書遺言との違い
ここでは、遺言書について項目ごとに理解を深めていきましょう。
公正証書遺言とは遺言者本人ではなく、公証人が作成する遺言書のことを指します。公証人とは、法務大臣に任命された法律の知識や経験を有している人物のことです。(※1)
公正証書遺言を作成する際には、公証人と2名の証人(※2)が必要になります。
公正証書遺言を作成する場合、公証役場において遺言者は公証人と2名の証人の前で、遺言の内容を口頭で伝えます。(※3)
公証人は遺言者が口頭で伝えた内容の真意を確認した上で、文章にまとめます。公証人は遺言者と2名の証人に内容を聞いてもらったり、見てもらったりして間違いがないのか確認します。間違いがないことを確認した後、公正証書遺言を作成するのです。
遺言者は、遺言書を作成する際に公証人からアドバイスを受けられます。(※4)
公証人に相談することで遺言者の意向に沿った遺言書を作成できるでしょう。
(※1)実質的な公務員であり、「裁判官」・「検察官」・「弁護士」などの法律に関する実務に携わっていた方です。
(※2)民法では2名以上と定められていますが、公証事務において3名以上になることはありません。
(※3)遺言者が公証役場に足を運べない場合は、公証人が自宅や病院に出張するケースもあります。
(※4)事前の打ち合わせの際に原案が作成されます。
自筆遺言書とは、遺言者本人が作成する遺言書のことを指します。遺言書を作成する方は、「紙」・「ペン」・「印鑑」を用意します。遺言書を作成する際には、遺言の内容(※全文)を手書きで書いてください。作成する場所としては自宅等において、自由に書くことが可能です。(※1)
例えば、相続に関する遺言書を作成したい場合、紙とペンを用意した上で作成します。作成する際には法的に有効な遺言書になるように要件(※2)を満たす必要があります。仮に要件を満たさなかった場合は、遺言書が無効になることもあり得るでしょう。
自筆証書遺言を作成する方は要件を確認しながら、誤りのない文書を書いてください。
(※1)場所に指定はありませんが、遺言者が書きやすい場所が望ましいでしょう。
(※2)要件として、「日付」・「氏名」・「押印」・「本文」が挙げられます。
公正証書遺言と自筆証書遺言の違いとして、遺言書を作成する人物が挙げられます。(※1)
公正証書遺言は公証人が作成しながら、2名の証人の前で遺言の内容を確かめます。そのため、安全かつ確実な遺言書を作成することができるでしょう。
一方、自筆証書遺言は遺言者本人が作成します。遺言者は紙とペン(※2)を用意し、自宅で遺言書を作ることが可能です。さらに、証人が不要であり、遺言者の都合の良いタイミングで取りかかることができます。遺言者はタイミングと場所を選んだ上で、作成を進められるでしょう。
遺言書を作成する方は、自らの都合の良い方法を選んでください。
(※1)遺言書の保管方法にも違いがあります。
(※2)印鑑も必要です。
公正証書遺言は遺言者にとって、さまざまなメリットがあります。遺言者は公正証書遺言を使用することで、安心した遺言書を作成できるでしょう。
以下では、公正証書遺言を作成した場合の5つのメリットを挙げています。
・メリット①:無効になりにくい
・メリット②:紛失しない
・メリット③:偽造されない
・メリット④:検認の必要がない
・メリット⑤:遺言者本人が全文を自筆する必要がない
ここでは、公正証書遺言のメリットについて項目ごとにご紹介します。
1つ目のメリットは、無効になりにくいことです。なぜなら、法律に関する知識や経験がある公証人が遺言書を作成するからです。公証人は遺言書に記載する要件を理解した上で、業務を進めます。
例えば、公証人が遺言書を作成する場合、法的な要件を満たしているのか確認しながら作ります。さらに、遺言者の真意を確認した上で文章にまとめます。公証人は、正確かつ遺言者の真意を確かめながら法的に有効な遺言書を作成するのです。
公正証書遺言は無効になりにくく、証明力のある遺言書だと言えるでしょう。
2つ目のメリットは、紛失しないことです。なぜなら、作成した遺言者は公証役場にて保管されるからです。
例えば、公正証書遺言を作成した場合、20年間公証役場にて原本が保管されます。(※1)ただし、特別の事由により保存する必要がある時は、その限りではありません。(※1)
公証人は公正証書遺言の原本を保管してもらえるため、自らが紛失するリスクを抑えられます。また、災害等により遺言書を紛失する心配もないでしょう。
公証役場は、公正証書遺言を安全に保管できる場所です。
(※1)公証人法施行規則第25条において定められています。
3つ目のメリットは、偽造されないことです。なぜなら、公証役場において公証人が遺言書を作成するからです。また、2名の証人がその場に立ち会っているため、不正や不備を見抜くことができます。
例えば、遺言書を作成する場合、「遺言者本人」・「公証人」・「2名の証人」が遺言書の内容を確かめながら作成し、法的に有効なものを完成させます。さらに、完成した公正証書遺言は公証役場にて保管されます。公正証書遺言は、第三者が遺言書を偽造する行為を未然に防ぐことが可能です。
自宅にて遺言書を保管することに不安を抱いている方は、公正証書遺言を検討しましょう。
4つ目のメリットは、検認の必要がないことです。なぜなら、公証人が作成した法的に有効な遺言書であるため、検認を受けなくて済むからです。検認は、遺言書の存在を明らかにするために行われる手続きになります。
例えば、自筆証書遺言を作成した場合、偽造を防ぐために検認を受けなければなりません。(※1)ただし、自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は、その限りではありません。
自筆証書遺言書保管制度を利用していないケースでは、遺言者が亡くなった後に相続人等により家庭裁判所へ遺言書を提出され、内容を確認する手続きを進める必要があります。
公正証書遺言は検認を受けず、円滑に相続の手続きを進められる遺言書です。
(※1)検認を受ける場所は、家庭裁判所です。
5つ目は遺言者本人が全文を自筆する必要がないことです。なぜなら、公証人が遺言書を作成してくれるからです。また、遺言者本人が遺言書の内容を口頭で伝えることにより、公証人が真意を確かめながら文章をまとめ作成してくれます。
例えば、文字を書くことが難しい方の場合、公正証書遺言を利用することで遺言書を作成できます。さらに、公証人が作成するため、特別な知識を身につける必要はありません。
本人は全文が作成された遺言書に署名捺印をするだけで完成となります。
(病気等で自書ができない方は公証人が代書可能となっております)
公正証書遺言を作成した場合は遺言者本人が自筆せずに、有効な遺言書を手に入れることができます。
弊所は、ご依頼者様に負担をかけないサービスを提供できるように日々取り組んでいます。ご依頼者様には印鑑1本を用意していただければ、手続きが完了できるサービスを目指しています。また、ご依頼者様とヒアリングを行いながら、さまざまな負担を減らせるように努めています。
弊所では法律上取り扱えない分野(業務外)に関して、「司法書士」・「税理士」・「弁護士」の各専門家にお繋ぎいたします。事案のご相談から解決に至るまで、全力でバックアップします。
遺言書に関する悩みや疑問を抱えている方は、行政書士等の専門家に相談してください。専門家は、遺言書に関する知識や経験を有しています。ご依頼者様は専門家に相談すると、適切なアドバイスをもらえるでしょう。また、相談に応じた解決方法を提案してくれます。
例えば、遺言書の作成方法が分からない場合、専門家に相談すると正確なものを作成できます。また、依頼内容によって手続きに必要な書類を集めたり、連絡を取ったりと手続きを進めてくれるでしょう。
ご依頼者様は遺言書に費やす時間や労力を軽減し、有効なものが作成できます。遺言書に関する悩みや不安を抱えている方は、行政書士等の専門家に相談しましょう。
今回の記事では、公正証書遺言について5つのメリットをご紹介しました。公正証書遺言は公証人が遺言書を作成するため、無効になるリスクをなくせます。また、公証役場において遺言書を保管することが可能であり、紛失することもないでしょう。遺言者の中で有効かつ安心した遺言書を残した方は、公正証書遺言をおすすめします。遺言書を作成したい場合は、一度専門家に相談しましょう。
長岡行政書士事務所代表
横浜市港南区に事務所を構え、過去500件以上の相続や遺言等の経験から、不安を抱えるお客様の直面している課題をいかに負担少なく解決するかを考え実現している。