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行政書士が解説!遺言書の効力とは?5つのポイントを紹介!

行政書士が解説!遺言書の効力とは? 5つのポイントを紹介!

遺言書の効力を知ることで、有効に活用できる

「遺言書って、どんな効力があるの?」
「遺言書と遺言の違いは、なに?」
「どのような効力があるのか、具体的に知りたい!」

上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。

遺言書は、遺言者の意思を書面に残せるものです。相続の場面では、遺言者(※被相続人)の意思を遺言書に残すことで、本人の意向に沿いながら手続きを進められます。また、複数の効力があり、相続の際に欠かせない存在です。今後、遺言書を残す方や受け取る可能性がある方は、効力を把握しておくべきです。

今回は、遺言書の効力について、5つのポイントをご紹介します。また、遺言書と遺言の違いも解説します。この記事を最後まで読んだ方は、遺言書の知識を深められるでしょう。

遺言書について

遺言書は相続等の際に使用するものであり、大事な存在です。相続人は被後見人の財産を引き継ぐ際に、遺言書の有無を確認する必要があります。以下では、遺言書に関する2つの項目を挙げています。

・遺言書とは
・遺言書と遺言の違い

ここでは、遺言書について項目ごとにご紹介します。

遺言書とは

遺言書は相続等(※1)の場面で活用されるものであり、遺言者本人の意思表示をする書面のことです。また、財産に関する事項以外にも身分に関する事項についても記載できます。遺言執行者を指定することも可能です。

例えば、複数人が相続する場合、遺言者が分配方法や相続人を決めておきます。事前に相続に関することを決めておくと、相続人同士のトラブルを防ぐことができるのです。さらに、遺言執行者を指定することで、確実に遺言書に記載した内容に沿いながら執行してくれます。

遺言書は、相続を含めた場面でトラブルを防ぎながら円滑に手続きを進めるために大事なものと言えるでしょう。

遺言者は、3つの種類(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)の中から、自らに適したものを選びます。3種類の中でも公正証書遺言で作成することで、「効力」や「安心」がある遺言書を残せるでしょう。

公正証書遺言を作成する方は自筆証書遺言と異なり、公証人(※2)と2名の証人が必要になります。また、公証役場(※3)にて公正証書遺言を作成します。(※4)

公証人は遺言者と相談しながら、法律に沿った内容にまとめます。そのため、遺言書の内容に誤りがなく、効力のあるものを作成できるのです。さらに、作成した公正証書遺言の原本を公証役場で保管してくれるため、紛失や偽造のリスクを避けられます。

正確かつ確実である遺言書を作成したい方は、公正証書遺言をおすすめします。

(※1)相続以外に子どもの認知等に関することで使われるケースもあります。
(※2)法務大臣が任命した弁護士や検察官などを務めたことのある法律の知識や経験を有している人物のことを指します。
(※3)公証人が職務を行う事務所のことを指します。
(※4)遺言者の体調等により、病院や自宅に公証人等が出張してくれることもあり得るでしょう。

遺言書と遺言の違い

遺言書と遺言の違いとして、法的に有効なものであるのかが挙げられます。遺書は、親族や友人等に本人の気持ちを伝えるために用いられる手紙です。一方、遺言書は相続や身分に関する事項を記載した法的に有効な書面のことを指します。ただし、遺言書として必要となる要件を満たしていない場合は無効になります。

遺言書は、自らの財産を渡す相手や遺言書を執行する人物(遺言執行者)を指定できます。また、相続人の相続権を剥奪することも可能であり、重要な書類です。そのため、適切な手続きに沿いながら作成した遺言書は、さまざまな効力を有しています。

遺言書の効力

遺言書は遺言者の意向を尊重できるものであり、さまざまな効力を持っています。遺言者は、遺言書の効力を把握した上で利用しましょう。

以下に、遺言書の5つの効力を挙げています。

・効力①:財産を譲る方を指定できる
・効力②:相続の権利を剥奪できる
・効力③:遺言書の内容を執行する方を指定できる
・効力④:保険金の受取人を変更できる
・効力⑤:子どもの認知が可能

ここでは、遺言書の効力について項目ごとにご紹介します。

効力①:財産を譲る方を指定できる

1つ目の効力は、財産を譲る方を指定できることです。遺言者は、法定相続人以外の方に財産を譲りたい(※遺贈)場合に遺言書でその旨を記載し、執行してもらえます。

例えば、生前にお世話になった方に財産を譲りたい場合、遺言書にその旨を記載しておきます。被相続人が亡くなった後に、遺言執行者等(※指定している場合)が遺言書に記載されている内容を執行します。

遺言者は遺言書に相続について詳しく記載することで、法定相続人以外にも財産を譲ることが可能になります。(※1)

(※1)ただし、必ずしも遺言書の内容に沿った相続が行われるとは限りません。

効力②:相続の権利を剥奪できる

2つ目の効力は、相続の権利を剥奪できることです。特定の相続人から虐待や侮辱などを受けた遺言者は、その人物に財産を渡たないために相続権を剥奪できます。

例えば、日頃相続人Aさんから侮辱を受けていた場合、遺言者は相続権を剥奪することが可能です。ただし、全てのケースで適用されるわけではありません。相続人の行為が、相続欠格事由に当てはまらなければなりません。

遺言者は特定の相続人の相続権を剥奪できるのか、専門家に相談することをおすすめします。

効力③:遺言書の内容を執行する方を指定できる

3つ目の効力は、遺言書の内容を執行する方を指定できることです。遺言の内容に沿いながら手続きを進めていく方を遺言執行者と呼びます。(※1)遺言執行者は、遺言書の内容を実現するために手続きを進められる権限を有しています。

例えば、遺言者は遺言執行者を指定する場合、遺言書で指定できます。また、第三者に遺言執行者の指定を委託することも可能です。遺言執行者がいない等の場合は、利害関係者(※2)が家庭裁判所に申立てを行い、選任されます。

遺言者は遺言執行者を一人ではなく、複数人を選ぶこともできます。相続等の手続きの際に相続人同士のトラブルを避けるためには、遺言執行者の存在が重要となるでしょう。また、弊所では遺言執行者を務められるため、遺言書の相談から執行までご相談者をサポートできます。

(※1)民法が改正される前は、「相続人の代理人」とも呼ばれていました。
(※2)相続人、遺言書の債権者、遺贈を受けた者などが該当します。

遺言執行者については、別の記事で詳しく解説します。

効力④:保険金の受取人を変更できる

4つ目の効力は、保険金の受取人を変更できることです。遺言による保険金の受取人を変更する場合は、効力が生じた後に手続きを行います。
変更の際は保険契約者(※遺言者)の相続人が保険会社に連絡を入れ、その旨を伝えます。(※1)
相続人は保険会社と連絡を取りながら、手続きを進めてください。

(※1)保険法44条に規定されています。

効力⑤:子どもの認知が可能

5つ目の効力は、子どもの認知が可能であることです。遺言書は相続の分配方法や遺言執行者を指定するだけではなく、子どもの認知もできます。

例えば、法律上の婚姻関係のない男女に子どもがいる場合、その旨を記載し認知することができます。(※遺言認知)また、必要事項を明記しておかなければなりません。(※1)遺言認知をする遺言者は、遺言執行者を定めておきましょう。遺言執行者は市区町村役場(※2)で届け出を行い、手続きを進めます。

仮に遺言執行者がいない場合は、相続人が家庭裁判所に遺言執行者の手続きを行います。認知する子どもが成人している場合は、本人の承認書が必要になるため、注意してください。(※3)

(※1)子どもを認知すること、子どもの母親、子どもの住所・氏名等などを記載します。
(※2)遺言者または子どもの本籍地のある市区町村役場、遺言執行者の住所地である市区町村役場です。
(※3)認知する子どもが胎児である場合は、母親の承認書が必要です。

遺言書による認知については、別の記事で詳しく解説します。

弊所はご依頼者様を全力でサポートします

弊所は、ご依頼者様に負担をかけないサービスを提供できるように取り組んでいます。ご依頼者様には印鑑1本を用意していただければ、各種の手続きが完了できる仕組みを目指しています。また、ヒアリングを行いながら、ご依頼者様の負担を減らせるように努めています。

法律上、弊所では取り扱えない分野に関して、各専門家(弁護士・税理士・司法書士)にお繋ぎいたします。ご依頼者様から事案の相談を受けてから解決するまで、全力でバックアップします。

遺言書に関する悩みや疑問は専門家に相談する

遺言書に関する悩みや疑問を抱いている方は、専門家に相談してください。専門家は遺言書に関する知識や経験を有しており、適切な解決方法を提案してくれます。また、ご依頼者様に代わり、名義変更の手続き等を進めることも可能です。

例えば、遺言書に関する相談を受けた場合、専門家がご依頼者様に適切なアドバイスを行います。また、手続きに必要な書類等を収集できます。ご依頼者様は、手続きに費やす時間や労力を軽減しながら、効率的に進められるでしょう。遺言書に関する悩みや疑問を抱えている方は、一度専門家に相談しましょう。

結論

今回の記事では、遺言書の効力について、5つのポイントをご紹介しました。遺言書は、遺言者の意思を表すために重要なものです。また、遺言執行者を指定することで、さらに遺言書の効力が増します。今後、遺言書を作成する方は5つのポイントを理解した上で、活用しましょう。一方、遺言書を受ける方はその存在の有無を確認し、相続の手続きを進めましょう。遺言書に関する悩みや疑問を抱えている方は、一度弊所に相談ください。

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