長岡行政書士事務所監修
長岡行政書士事務所監修
「秘密証書遺言って、なに?」
「どのようなメリットがあるのか…」
「秘密証書遺言を詳しく知りたい!」
上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。
秘密証書遺言は、遺言書の中の1つの方法です。この遺言書は、自筆証書遺言や公正証書遺言の2つの特徴を持っており、他の方々に遺言の内容を知られずに作成できます。秘密証書遺言を検討している方は、作成する前にどのようなメリットがあるのか把握することをおすすめします。
今回は、秘密証書遺言についてご紹介します。また、4つのメリットに関しても項目ごとに見ていきましょう。この記事を最後まで読んだ方は、秘密証書遺言について理解を深められるでしょう。
遺言書は、相続等の場面で使用されるものです。遺言者は遺言書の種類によって、それぞれの方法に沿った手続きを進める必要があります。
以下では、遺言書に関する2つの項目に注目します。
・遺言書とは
・遺言書と遺言の違い
ここでは、遺言書に関することを項目ごとにご紹介します。
遺言書は、遺言者本人の意思表示を書面に残したものです。遺言者は自らの財産や身分(※1)に関することを記載でき、将来的に起こる可能性がある相続のトラブルを未然に防ぐ対策を取れます。
例えば、遺産の分配方法や割合を記載しておくことで、相続人同士がトラブルになるリスクを減らすことができます。また、預貯金以外に不動産の遺産がある場合に各相続人に分配するものを明確にするとスムーズに手続きを進められるでしょう。
遺言書は相続等に関する遺言者の意思表示を書面に残せるため、将来に備えることができます。
遺言者は、遺言の内容を執行する遺言執行者を指定できます。遺言執行者を指定する場合は、遺言書にその旨を記載しておきます。その後、遺言者が亡くなった後に遺言執行者が遺言の内容に従い、業務を執行するのです。仮に遺言執行者がいない場合は、相続人が執行することになります。
遺言書には「自筆証書遺言」・「公正証書遺言」・「秘密証書遺言」の3つの種類があります。遺言者は自らに状況に合った遺言書を選んだ上で、手順に沿いながら作成します。作成する遺言書に悩んでいる方は、公正証書遺言をおすすめします。公正証書遺言は、公証人(※2)が作成しており、法的に効力のある遺言書です。(※3)
法的に有効な遺言書を作成したい方は、公正証書遺言をおすすめします。
(※1)子どもの認知等に関することで使うケースもあります。
(※2)法律の知識や経験がある人物で、法務大臣が任命します。
(※3)無効確認訴訟により、無効になる可能性もあります。
遺言書と遺書の違いの1つとして、法的に有効であるのか判断されることです。遺書は、親族や知人等に本人の気持ちを伝えるために使われる手紙のことを指します。過去にお世話になった方へ感謝の気持ちを伝えるために用いることもあるでしょう。
一方、遺言書は遺言の内容に相続や身分に関することを記載した書面のことです。遺言者は相続人の財産の分配方法や割合などを記載し、事前にトラブルが起きないように対策を取れます。ただし、遺言書が有効になる要件を満たす必要があるため、作成する際に留意してください。
遺言書は遺言に記載した内容を執行する遺言執行者を指定したり、相続人の相続権を剥奪したりできます。遺言者は、法的に有効な遺言書を作成できるようにしましょう。
秘密証書遺言は遺言書の1つであり、自筆証書遺言と公正証書遺言の特徴を兼ね備えています。ただし、他の遺言書に比べて使用する機会は多くありません。
ここでは、秘密証書遺言を学ぶために2つの項目に注目します。
・秘密証書遺言とは
・公正証書遺言との違い
ここでは、秘密証書遺言について項目ごとにご紹介します。
秘密証書遺言は遺言者の意思表示を書面に残したものですが、本人以外の方に遺言の内容を知られたくない場合に使用します。また、遺言者本人の意思表示を残した書面があることを証明しておきたい時に用います。
例えば、遺言者本人だけが内容を把握した遺言書を作成したい場合、秘密証書遺言を選択します。遺言者は、遺言書を作成する際にパソコンを使うことができます。(※1)作成する場合は、遺言の内容に誤りがないのか気をつけてください。
秘密証書遺言を完成するためには、作成した遺言書(※封をした状態)を公証役場に持って行く必要があります。そして、公証人と2名の証人(※事前に手配する)の前に遺言書を提示し、遺言者本人のものであることを証明してもらいます。
公証人が封紙に日付や遺言者などの必要事項を記載します。その後、遺言者と2名の証人が署名・押印を行い、完成するのです。秘密証書遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言の2つの特徴を合わせた遺言書と言えるでしょう。
(※1)秘密証書遺言に関しては代筆も可能です。
秘密証書遺言と公正証書遺言の違いとして、遺言書を作成する人物が挙げられます。また、遺言書を作成する場所も異なっています。
秘密証書遺言は、場所を問わずに作成できます。さらに、遺言者本人が手書きで作成する必要がなく、パソコンを使用したり、代筆したりすることもできます。
一方、公正証書遺言は公証人が公証役場において、遺言書を作成します。遺言者の体調等により公証人が自宅や病院に出張するケースもあります。
2つの遺言書は、費用や保管方法についても異なる部分があります。遺言者は各遺言書の特徴や詳細を把握した上で、自らに合ったものを選んでください。
秘密証書遺言と公正証書遺言の違いについては、別の記事で詳しく解説します。
秘密証書遺言は他の遺言書の特徴を持っていますが、異なる面もあります。遺言書の中では使用される機会が少ない秘密証書遺言ですが、いくつかのメリットも存在します。
以下では、秘密証書遺言の4つ目のメリットに注目します。
・メリット①:本人以外に内容を知られない
・メリット②:パソコンや代筆が可能
・メリット③:偽造等を防げる
・メリット④:費用が抑えられる
ここでは、秘密証書遺言のメリットを項目ごとにご紹介します。
1つ目のメリットは、本人以外に遺言の内容を知られないことです。秘密証書遺言は遺言者本人が遺言書を作成するため、本人以外に内容を知ることがありません。遺言書は公証人や証人が遺言の内容を確認せずに、存在を証明できます。
遺言者の中で誰にも遺言の内容を知られたくない方は、秘密証書遺言を検討してみても良いでしょう。
2つ目のメリットは、遺言書を作成する際にパソコンや代筆が可能であることです。秘密証書遺言は遺言者がパソコンを使用し、作成できます。また、遺言者以外の方に代筆を依頼することも可能です。
自筆で遺言書を作成できない方は、秘密証書遺言を利用する方法もあります。ただし、遺言書の署名や押印に関しては、遺言者本人が行わなければなりません。その点に関しては注意する必要があるでしょう。
3つ目のメリットは、遺言書の偽造等を防げることです。秘密証書遺言は遺言者本人が遺言書を作成し、封筒に封をします。
その後、公証役場に遺言書を持ち運び、公証人が必要事項を記入した上で遺言者と2名の証人が署名と押印をするのです。
そのため、遺言者は封筒が開かれるリスクが減るため、偽造等を防ぐことができます。
4つ目のメリットは、遺言書にかかる費用を抑えられることです。秘密証書遺言は公正証書遺言に比べ、費用がかかりません。秘密証書遺言を作成する場合、費用として11,000円がかかります。
一方、公正証書遺言は、秘密証書遺言よりも費用がかかります。例えば、財産の価額100万円以下の場合、手数料5,000円に11,000円(※追加加算)が加算され、16,000円ほど必要になります。(※1)(※2)
秘密証書遺言は、公正証書遺言よりも費用がかからずに遺言書を作成できます。
参照:日本公証人連合会
URL:https://www.koshonin.gr.jp/business/b01
(※1)公証人手数料令第9条
(※2)全体の財産が1億円以下の場合は、算出された手数料に遺言加算が加わります。
弊所は、ご依頼者様に負担をかけないサービスを提供できるように日々業務に取り組んでいます。ご依頼者様には印鑑1本を用意していただければ、各州の手続きが完了できるサービスを目指しています。また、ご依頼者様とヒアリングを行いながら、負担を減らせるように努めています。
弊所では法律上取り扱えない分野(業務外)に関して、各専門家(司法書士・税理士・弁護士)にお繋ぎいたします。事案の相談を受けてから解決に至るまで、全力でバックアップします。
遺言書に関する悩みや疑問を抱えている方は、専門家に相談することをおすすめします。専門家は遺言書に関する知識や経験を持っているため、的確なアドバイスを行えます。また、相談内容に応じた解決方法を提案し、サポートしてくれるでしょう。
例えば、遺言書を作成したい場合、専門家に相談することで利用者に適したものを提案してくれます。また、ご相談者に代わり、各所への連絡や証人の手配などを行ってくれるでしょう。
ご依頼者様は遺言書に関する時間や労力を減らしながら、納得するものを作成できます。遺言書に関する悩みや疑問を抱えている方は、専門家に相談しましょう。
今回の記事では、秘密証書遺言について5つのメリットをご紹介しました。秘密証書遺言は遺言者本人が作成した上で、その存在を認めてもらえます。また、パソコンや代筆が可能であり、遺言者の状況によって書き方を選ぶことができます。遺言者以外の方に遺言内容を知られずに遺言書の存在を認めてもらいたい方は、秘密証書遺言を検討してみても良いでしょう。遺言書に関する悩みがある場合は、行政書士を含めた専門家に相談してください。
長岡行政書士事務所代表
横浜市港南区に事務所を構え、過去500件以上の相続や遺言等の経験から、不安を抱えるお客様の直面している課題をいかに負担少なく解決するかを考え実現している。