長岡行政書士事務所監修

お悩み解決小噺ARTICLES

行政書士が解説!遺産相続とは?全体の流れや各種手続きを紹介

2022.05.14
相続手続き
行政書士が解説! 遺産相続とは? 全体の流れや各手続きを紹介

全体の流れを掴み、遺産相続を理解しよう

「両親が亡くなって、遺産を相続することになったみたい…」
「遺産相続の方法が分からない」
「相続について分かりやすく教えて欲しい!」

上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。

相続では、相続人が被相続人(亡くなった方が当てはまる)の財産を引き継ぎます。一般的には父親や母親が亡くなった場合に、相続の手続きを行う機会が多いでしょう。相続する財産は、被相続人が所有していた全てのものが当てはまります。被相続人は全ての財産を把握した上で、相続の手続きを進めなければなりません。

今回は、遺産相続について全体の流れや各種手続きをご紹介します。この記事を最後まで読んだ方は遺産相続の流れや各種手続きを把握し、円滑に進められるでしょう。

遺産相続とは

遺産相続とは、相続人が被相続人の全ての財産を引き継ぐことです。相続人が引き継ぐ財産に関しては「相続財産」と言います。

例えば、相続財産としては「現金」・「預貯金」・「株券」などのさまざまなものが該当します。また、「土地」や「建物」も相続財産になるため、忘れないようにしましょう。相続の際は全ての財産を調べ、明確にすることが重要です。

相続財産は、資産以外にも負債になるものも該当します。相続人は被相続人の全ての資産を把握した上で、相続の手続きを進めましょう。さらに、相続人に該当する人物を調べる必要があります。

遺産相続は相続人同士の意見が合わず、トラブルに発展するケースもあります。相続の手続きを進める前に必要な知識を身につけ、トラブルに対処できるようにしましょう。

遺産相続の流れ(調査・確定)

遺産相続は被相続人の財産を引き継ぎますが、一連の流れに沿って進めていきます。1つの工程を怠ってしまうと、相続ができなくなるリスクがあります。

以下が遺産相続の流れ(調査・確定)です。

・遺言書を確認する
・相続人を調査する
・相続人を確定する
・相続財産を調査する

ここでは、遺産相続の主に確認・調査をするべきことを項目ごとにご紹介します。

遺言書を確認する

まずは、被相続人が遺言書を残していないのか確認してください。相続において遺言書を確認することは、必須です。なぜなら、遺言書の有無によって、相続の手続きが変わってくるからです。
遺言書の調査は公正証書であれば公証役場で調査できます。(ただし、電子化された以降に作成された遺言書に限る)
また、自筆証書いごんであれば自宅の金庫や貸金庫、ほかに専門家等が預かっているケースがございますので、専門家からお便りや年賀はがき等の郵便物がないか確認してみましょう。

例えば、有効な遺言書がある場合は記載された内容に従い、相続人や受遺者に財産を分配します。さらに、遺言書の種類によって手続きを行う場所が異なります。

遺言書は主に2つの種類に分かれており、それぞれに適した手続きをしなければなりません。被相続人がどのような種類の遺言書を残したのか、確かめましょう。
遺言書の手続きについては後日書かせていただきます。

相続人を調査

次に、被相続人の財産を相続する相続人を調査します。相続人を調査する際は、被相続人が生まれてから亡くなるまでの間の戸籍謄本を集めなければなりません。全ての戸籍謄本を調べることで、相続人に該当する人物を確定できます。相続人の調査を進めることで、該当する人物を把握しつつ、確実な情報を得られます。

以前のケースでは、初婚だと思っていた妻が実は再婚で前夫との間に子供がいて相続人が増えたこともありました。
こういったケースも踏まえてしっかり確認しましょう。

相続人を確定

上記の調査を終えた後、相続人を確定させます。相続人の調査によって、今まで明らかにならなかった人物が判明したり、意外な親族関係を把握できたりとさまざまな情報を集められるでしょう。

ただし、相続人を確定させるまでに相当な時間を費やすことがあります。相続人に該当する人物が亡くなっている場合は、その人物の戸籍謄本を集めなければなりません。全ての情報を集めることで相続人の範囲が確定し、相続の手続きを進められます。

相続財産を調査する

最後に、相続財産の調査を進めていきます。相続財産にはさまざまな資産が含まれるため、詳しく調査しなければなりません。

例えば、相続財産として現金だけではなく、有価証券や債権などが挙げられます。被相続人のみが把握している財産もあるため、正確な情報を集めることが大事です。

財産には資産のみならず負債も含まれ、双方が相続の対象になります。相続人は資産のみを引き継ぐことができないため、注意しましょう。

遺産相続の流れ(決定・手続き)

遺産相続を行うためには、関連する情報の調査や確定が必須です。全ての情報を収集・確定させた上で、相続の手続きを進めていきます。

以下が遺産相続の流れ(決定・手続き)になります。

・相続人全員で遺産分割協議を行う
・遺産相続の方法を決定する
・遺産分割協議書を作る
・相続税の申告を行う
・相続登記を行う(不動産があれば)

ここでは、被相続人の遺産を分配かつ決定する工程を項目ごとに見ていきましょう。

相続人全員で遺産分割協議を行う

まずは、相続人全員で遺産分割協議を行います。遺産分割協議では、被相続人の財産について各相続人に分割するものを決めます。財産の分割の流れは相続人同士が話し合いながら、進めていく形です。

例えば、複数の土地や建物を所有している場合、相続人同士の話し合いによって相続するものを決めます。ただし、全員の同意がなければ成立せず、話し合いの期間が数年続くこともあり得ます。遺産分割協議を行う際は感情的にならず、冷静な対応や判断が求められるでしょう。

遺産相続の方法を決定する

次に、遺産相続の方法を決定します。遺産相続の方法は、「単純承認」・「限定承認」・「相続放棄」の3つです。3つの相続方法は、財産を引き継ぐ範囲が異なります。

例えば、単純承認を選んだ場合、被相続人の資産と負債の全てを引き継ぐ形になります。多額の負債がある際は、資産よりも上回ることもあるでしょう。遺産相続の方法を選ぶ際は、全ての財産を調べ、熟慮した上で決定してください。

遺産相続の中でも相続放棄は、被相続人の財産を受け取らない唯一の方法です。相続放棄は、資産と負債の両方を引き継ぎません。家庭裁判所で手続きを行えば、相続人から外れることができます。相続人は状況に応じて、選択する方法を決めてください。

遺産分割協議書を作る

遺産分割協議を無事に終えた場合は、話し合った内容を記載した書類を作成します。書類は遺産分割協議書と呼び、書き方や書式に関して指定されていません。ただし、記載するべき点や作成する上で注意するべき点があります。仮に、遺産分割協議書の作成に自信が無い方は専門家に依頼しましょう。専門家に作成を依頼すれば、明確かつ有効な書類が手に入ります。

相続税の申告を行う

続いて、相続人は相続税の申告をしなければなりません。申告期間は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。相続税の申告の際は、課税の対象となる相続財産を確認してください。

仮に遺産分割協議が進まずに財産の分割ができない場合は、相続税の申告と納付を暫定で行う必要があります。相続人は、指定の期限内に相続税の申告と納付を忘れないように気をつけてください。

相続登記を行う

最後に不動産があれば相続登記を行います。相続登記とは、被相続人から相続した不動産の所有権を変更する手続きのことです。

相続登記は法律の改正に伴い、令和6年4月1日から義務化されます。今までは義務化されておらず、不動産の名義が被相続人のままのケースがありました。法改正によって、所有者不明の土地を防ぐことができます。

被相続人から不動産を相続する方は、相続登記の手続きを忘れないようにしてください。

参照元:法務省
URL:https://www.moj.go.jp/content/001360807.pdf

遺産相続と同時に進める手続き

遺族相続は、さまざまな調査や決定を行わなければなりません。複数人の相続人がいる場合は、遺産分割協議を円滑に進める必要があります。さらに、遺産相続と並行して進めるべき手続きとして、以下の2つが挙げられます。

・役所、年金事務所への手続き
・公共料金、各種サービスの手続き

ここでは、2つの手続きについて項目ごとに見ていきましょう。

役所・年金事務所への手続き

1つ目は、役所や年金事務所への手続きをすることです。なぜなら、適切な手続きを行わなければ罪に問われる可能性があるからです。

例えば、被相続人が年金をもらっている場合、亡くなったことを申告することで受給を停止できます。仮に手続きを行わずに年金を受け取っていると、詐欺罪になるケースがあります。被相続人が亡くなっていることを知っているケースでは、罪に問われることがあるでしょう。

年金受給停止の手続き期間は被相続人が亡くなってから「国民年金が14日以内」、「厚生年金が10日以内」と定められています。相続人は、期間内に手続きを進めましょう。

公共料金・各種サービスの手続き

2つ目は、公共料金や各種サービスの手続きをすることです。被相続人が日常生活で使用していたサービスについて、停止の手続きを進める必要があります。サービスによっては停止や解約の手続きを行わなければ、料金が発生し続けます。相続人は遺産相続の手続きをしながら、各種サービスの解約手続きをしてください。

行政書士が行う遺産相続

弊所では依頼者様の負担がないよう、印鑑1本で遺産相続の手続きが実現できるようにお手伝いしております。
ヒアリングをしながら、依頼者様の心にも負担がないように努めながらやっていくのが得意です。

また弊所では法律上取り扱えない他士業の分野も、依頼者様に負担がなきよう税理士、司法書士、弁護士等の専門家をお繋ぎし、弊所まで最後までバックアップします。

最初かの窓口から終わりまで一生懸命お手伝いいたします。

遺産相続に関する悩みや疑問は専門家に相談する

遺産相続に関する悩みや疑問を抱いている方は、専門家に相談してください。専門家は相続に関する業務に慣れているため、素早く対応できます。

例えば、遺産分割協議書が必要な場合、専門家に依頼することで有効な書類を作成してもらえます。また、相続に関する的確なアドバイスを受けられるでしょう。

依頼者様は専門家に遺産相続の相談をすることで、さまざまな負担を軽減できます。さらに、問題があった場合にはその都度アドバイスをもらいながら進められるでしょう。初めて遺産相続する方は、専門家に相談することをおすすめします。

結論

今回の記事では遺産相続について、全体の流れや各手続きをご紹介しました。遺産相続は手続きによって期間が定められており、スムーズに進めなければなりません。また、相続人や被相続人の財産を調査しながら、確実な情報を得る必要があります。円滑に手続きを進めるためには、時間や労力がかかります。そのため、相続人によっては日常生活に支障をきたすことがあるでしょう。そこで、行政書士を含めた専門家に依頼して負担を軽減しながら、早期に問題を解決してください。

この記事の執筆者

お問い合わせCONTACT

まずはどんなことでもお気軽にお問い合わせください。
お急ぎの場合はお電話でご連絡ください。

お悩みの方は今すぐこちら

Tel.

受付時間 9:00〜21:00
定休日なし(土日のご相談は予約のみ)

お問い合わせフォーム365日24時間受付
LINEでお問い合わせQRコードでお友だちを追加