長岡行政書士事務所監修
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「墓じまいのマナーってなに?」
「マナーを詳しく学びたい!」
「墓じまい当日の服装や持ち物を知りたい!」
上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。
墓じまい当日はお墓や周囲を掃除したり、僧侶にお経をあげてもらったりします。初めてお墓じまいする方は、準備するものやマナーが分からずに困ることもあるでしょう。そこで、事前に必要なものやマナーを理解しておくことが大事になります。
今回は墓じまいのマナーについて、ご紹介します。また、墓じまいの当日の服装や持ち物も見ていきましょう。 この記事を最後まで読んだ方は墓じまいマナーを学び、スムーズに物事を進められるでしょう。
墓じまいの服装はケースによって異なり、正しく理解しておくことが大事です。その理由は、ケースごとに着用する服が決まっているからです。墓じまいは複数の工程があり、一日で終わらないこともあり得ます。墓じまいに立ち会う方は、状況に合った服装を覚えておきましょう。
以下が、各状況に合った服装です。
・閉眼供養時は喪服を着用
・墓石解体時は平服も可能
・建碑祝い時はスーツを着用
・開眼供養時は喪服を着用
ここでは、墓じまいの服装を項目ごとに見ていきましょう。
閉眼供養の際は喪服を着用してください。墓じまいでは閉眼供養を行い、僧侶にお経をあげてもらうことが多いです。僧侶にお経をあげてもらう場合は、正装の喪服が望ましいです。墓じまい当日、服装で困らないように事前に準備しましょう。
墓石解体の際は、平服で立ち会って構いません。平服を着用する方は派手なデザインではなく、落ち着いたものを選ぶと良いでしょう。また、墓所が山頂にある場合は動きやすい服装をおすすめします。
ただし、僧侶が立ち合っている際は喪服を着用してください。閉眼供養が同じ日に行う場合は喪服を着用したまま、墓石の解体に立ち会いましょう。
建碑祝いを行う時はスーツを着用し、立ち会ってください。新たにお墓を建てた場合、祝い事になります。そのため、喪服ではなくスーツを着用しましょう。スーツは紺色や灰色など落ち着いた色彩が望ましいです。また、ネクタイは一般的に白色を使用します。建碑祝いはお祝い事ですが、派手な服装にならないことを意識してください。
開眼供養を行う場合は、礼服や落ち着いた服装で立ち会いましょう。ただし、納骨式も行われる時は喪服を着用してください。納骨式は弔事にあたるため、喪服が望ましいです。開眼供養に立ち会う方は当日の予定を把握し、服装を選びましょう。
墓じまいではさまざまなお供えを行いますが、やみくもに行うと失礼な行動になります。お供え方法には正しいやり方があり、それぞれの方法を覚える必要があるでしょう。
以下が墓じまいのお供えで覚えるべき方法です。
・五供を用意
・花のお供え方法
・飲食のお供え方法
・洗水のお供え方法
・香のお供え方法
・灯明のお供え方法
それぞれのお供え方法について、項目ごとに解説します。
五供(ごく)は、仏事で行う5つのお供えのことを指します。以下が5つのお供えに該当します。
・香(こう)
・花
・灯明(とうめい)
・浄水(じょうすい)
・飲食(おんじき)
宗派によって異なる点もありますが、一般的には5つが基本です。五供をそれぞれに理解した上で、墓じまいに臨んでください。
お花を供える場合は、花立(生花を供える花器)を使用します。供える際は2つの花束を作り、本数を奇数にしてください。仏花は菊や小菊が一般的ですが、スターチスやカーネーションも使うことが可能です。また、故人が好んでいる花を用いるケースもあるでしょう。
ただし、「トゲのある花」や「毒のある花」は避けるようにしてください。他にも「香りが強い花」や「つるがある花」も仏花には不向きです。花を供える際は、花や本数などを確かめながら行いましょう。
飲食を供える際は、故人の好きな食べ物や季節に合った食べ物を供えてください。ただし、肉類や魚介類などの生ものは避けましょう。
食べ物の場所は花立より奥側に置くケースが多いでしょう。仮に供物台がある場合は、その場所に食べ物を置きます。お供えで食べ物を置く際は、二つに折った半紙を敷いてから置いてください。
浄水は、お墓に水やお茶を供えることを指します。水を供える際は水鉢に入れるようにしましょう。水鉢に入れる水は、水道水や自宅から持ってきた水など問いません。ただし、お墓に使用する水とは別に用意しましょう。お供えの時には、綺麗な水を水鉢に入れてください。
香は線香のことを意味し、香炉に使用します。線香に火を点ける場合はライターを直接使用せず、ろうそくを経由すると良いでしょう。また、火が点いて燃えた時には息で吹き消さないようにしてください。一方、火を消す場合は手で仰ぐ方法が望ましいです。線香に火を点ける方は天候や風を考慮しながら、安全な方法を取ってください。
灯明は仏や神に火を供えることを指します。火の点いたろうそくは、専用の場所に置きましょう。ろうそく立ての場所は、お墓によって異なります。火を点ける際はライターやマッチを使い、直接ろうそくに点けてください。もしも、風が強い時は物陰や体で遮り、火をつけやすいようにしましょう。
火を消す場合は息で吹き消さずに、手で仰いでください。火を供える方は、さまざまな状況に応じて臨機応変に行動しましょう。
墓じまい当日に必要な持ち物として、さまざまなものを準備しなければいけません。閉眼供養を行う日は、現在のお墓にお参りする最後の日になります。当日、お参りに必須なものを忘れないようにリストにまとめておきましょう。
以下が、墓じまい当日に必要な持ち物の一覧です。
・線香(※多めに持っていくと折れた場合に対応できる)
・花(※故人の好みの花でも可能)
・ろうそく
・食べ物(故人が好物や季節にあったもの)
・浄水(※水またはミネラルウォーター)
・ライターもしくはマッチ(複数個持っていく)
・新聞紙(※火が付きにくい場合は使用する)
・数珠
・お布施(※僧侶にお経をあげてもらう場合に必要)
・桶と柄杓(※墓所で貸してもらえるケースがある)
・ほうきと塵取り(※墓所で貸してもらえるケースがある)
・たわし
・雑巾
墓じまい当日、天候が良くない時は傘やタオルなどを持っていくと便利です。また、天候が変わりやすい場所でも準備をしておきましょう。墓じまいが終わった後に着替えができるようにしておくと雨に濡れても風邪をひきにくいはずです。
夏の時期で炎天下の場合は日傘や水筒を持っていき、熱中症対策を取りましょう。季節によって準備するものが変わってくるため、その都度必要な持ち物を検討してください。荷物は優先順位をつけて持っていくと良いです。仮に持てないものに関しては車や安全な場所に置いておきましょう。
お布施は、お経を読んでもらった後に僧侶に渡します。遠方から僧侶に来てもらった時には「御車代」を忘れないようにしてください。お布施や御車代を渡す方はタイミングを見計らい、相手が不快な気持ちにならないように気をつけましょう。墓じまいを行う際は早めに準備を進め、抜かりがない状態にしてください。分からないことがあれば、親族や知り合いに教えてもらいましょう。
墓じまいは親族だけではなく、故人の知り合いにも関係します。また、契約者が生前に手続きを進める場合にも関係のある方に挨拶状を出しましょう。
以下が、墓じまいの挨拶状に関するマナーの一覧です。
・挨拶状の方法・タイミング
・挨拶状を送る方
・挨拶状の記入事項
ここでは、各項目の詳細について解説します。
挨拶状は相手に対してお礼や尊敬する気持ちが込められているため、手紙で送るようにしましょう。近年、IT化によって電話やメールで済ませようと考える方がいるはずです。しかし、挨拶状を手軽に済ませてしまうと相手に対して失礼にあたります。
日頃、手紙を使う機会が減っているからこそ、手紙を送ることで相手に気持ちが伝わりやすいでしょう。挨拶状は手紙で丁寧に書くことを心掛けて下さい。
手紙を出すタイミングは、閉眼供養が終わった後にしましょう。閉眼供養後、墓石の撤去や遺骨の取り出しで時間が無い方は、事前に挨拶状を書き終えておくことをおすすめします。
挨拶状は故人や契約者と交流があった方に出してください。交流があった方の中には、定期的にお墓参りをしているケースがあります。そのため、親族や故人の知り合い方に墓じまいのことを伝える必要があるでしょう。手続きを進める際は挨拶状を送るべき方のリストを作り、出し忘れがないように気をつけてください。
故人や契約者と交流がある方に挨拶状を出す場合には、以下の事項を記入してください。
時候の挨拶
・墓じまいしたと日時
・新たなお墓の場所
・墓じまいに至った理由
・結びの言葉
上記の事項を記載することで、関係者とトラブルになるリスクを減らせます。関係者の中には墓じまいに対し、不満を抱く方もいる可能性があります。挨拶状を作成する方は、送る方に納得した上で今後もお墓参りをしてもらえるように配慮しましょう。
墓じまいに関する悩みや不安がある方は、専門家に相談することをおすすめします。一人で墓じまいを進めようとする場合、時間や労力がかかってしまいます。例えば、墓じまい後に新たなお墓に移動する時は、複数の書類を用意する必要があります。また、現在のお墓の管理者や新たなお墓の管理者から各証明書を発行してもらわなければいけません。墓じまいを行う方は専門家に相談することで、負担を軽減できます。
弊所では、書類作成から契約の代行まで一連のサポートが可能です。お寺との連絡や霊園調査などさまざまな面でご依頼者の要望に沿ったサービスを提供しています。墓じまいに関することでお困りのことがあれば、弊所に一度相談ください。
この記事では、墓じまいのマナーや当日の服装・持ち物をご紹介しました。墓じまいでは状況に応じて着用する服装を変えたり、五供ごとのお供え方を覚えたりと事前に把握するべきことがあります。今後、墓じまいを行う方や関わる方はマナーを身につけるようにしましょう。墓じまい当日にスムーズなやり取りや行動ができるはずです。もしも、墓じまいに関することで問題を抱えている方は、一度弊所にご相談ください。
長岡行政書士事務所代表
横浜市港南区に事務所を構え、過去500件以上の相続や遺言等の経験から、不安を抱えるお客様の直面している課題をいかに負担少なく解決するかを考え実現している。