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任意後見制度のメリットは?効力が生じるタイミングも解説!

任意後見制度のメリットは?効力が生じるタイミングも解説!

任意後見制度には複数のメリットがある

「任意後見制度のメリットってなに…」
「制度の効果が生じるタイミングはいつ?」
「利用者にとって、どのようなメリットがあるのか知りたい!」

上記のような疑問や悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか。

任意後見制度は、成年後見制度の中にある制度です。別の制度である成年後見制度と比べた場合、後見人の権限や支援・保護を行う範囲が異なります。また、選任する方法や効力が生じるタイミングも違うため、それぞれの制度を正しく把握する必要があるでしょう。

今回は、任意後見制度のメリットについてご紹介します。また、効力が生じるタイミングも解説します。この記事を最後まで読んだ方は任意後見制度のメリットを理解し、制度の利用を前向きに検討するでしょう。

任意後見制度を知る

任意後見制度は法定後見制度と同様に、被後見人を支援や保護をする制度です。この制度を利用する際は、どのような仕組みになっているのか把握する必要があります。

任意後見制度について、以下の項目に分けて見ていきます。

・任意後見制度とは
・任意後見制度と法定後見制度の違い

ここでは、任意後見制度について項目ごとにご紹介します。

任意後見制度とは

任意後見制度は将来的に自らを支援や保護を行ってくれる後見人(任意後見人)を選任し、契約(任意後見契約)を結ぶ制度です。被後見人は判断能力がある状態で、自らの財産管理や身上監護を行ってくれる後見人を選ぶことができます。

例えば、被後見人が将来的に判断の能力が低下することを心配した場合、任意後見制度を利用することで信頼できる人物に後見人を依頼できます。また、具体的な後見内容を決めることも可能です。被後見人は、信頼できる人物かつ希望する契約内容を決めた上で制度を利用できます。

任意後見制度では、被後見人の希望に沿った内容で書類を作ることが可能です。被後見人は書類に具体的な内容を明記し、公正証書(※1)で作成してください。任意後見契約(※2)を結んだ後、後見人の判断能力の状態により申立人(本人・配偶者・四親等内の親族・任意後見受任者)が家庭裁判所に申立てを行い、手続きを進めます。

申立て後、家庭裁判所は任意後見監督人を選任し、制度が利用できる状況を整えるのです。任意後見監督人を選任されると、任意後見が始まります。任意後見人は被後見人と交わした契約内容に従い、支援や保護をします。

※任意後見人は任意後見が始まるまでは、「任意後見受任者」と呼ばれます。

(※1)公正証書は契約等の際に法律に基づき、公証人が作成する公文書のことです。
(※2)任意後見契約には、「即効型」・「移行型」・「将来型」の3つがあります。詳細については、別の記事で解説します。

任意後見制度と法定後見制度の違い

任意後見制度と法定後見制度は、被後見人を支援や保護を行う制度です。ただし、2つの制度には異なる点がいくつかあります。以下が、任意後見制度と成年後見制度の異なる点です。

・制度、後見の内容
・契約や後見を開始するタイミング
・後見人等の権限、選任方法

任意後見制度と法定後見制度の主な違いとして、後見人等の選任方法が異なります。任意後見制度では、被後見人本人が任意後見人を選べます。被後見人は家族や知人など自らの信頼できる人物に任せることが可能です。

その一方、法定後見制度の家庭裁判所が後見人等を決めます。家庭裁判所は被後見人の判断能力により、支援する方(成年後見人・保佐人・補助人)を選びます。後見人等は自らの権限内で被後見人の支援と保護を行っていくのです。

任意後見制度と法定後見制度は被後見人の判断能力の状況によって、選択する制度が変わります。被後見人の判断能力がある状態では任意後見制度を選び、将来への不安を解消できる内容の契約を結ぶようになるでしょう。

任意後見制度のメリット

任意後見制度は被後見人にとって、さまざまなメリットがあります。この制度を利用したい方はメリットを把握した上で、検討することをおすすめします。

以下が、任意後見制度の4つのメリットです。

・メリット①:被後見人本人が後見人を選べられる
・メリット②:被後見人の希望に沿った内容の契約を結べる
・メリット③:任意後見監督人が後見人を監督できる
・メリット④:将来への不安を減らせる

ここでは、任意後見制度のメリットを項目ごとにご紹介します。

メリット①:被後見人本人が後見人を選べられる

1つ目のメリットは、被後見人本人が後見人を選べることです。任意後見制度は、被後見人の判断能力がある状況で後見人や後見内容を決められます。また、後見人は第三者ではなく、家族に依頼することも可能です。

例えば、被後見人本人が後見人を指定し、希望に沿った後見内容を作成します。後見内容を作成する場合は、公正証書で行います。被後見人は信頼できる人物を選任できるため、自らの財産管理や身上監護を安心して任せられるでしょう。

メリット②:被後見人の希望に沿った内容の契約を結べる

2つ目のメリットは、被後見人の希望に沿った内容の契約を結べることです。被後見人は後見人を選定するだけではなく、後見内容を自らの希望に沿った内容で作成できます。この契約のことを任意後見契約と呼びます。

例えば、被後見人に管理してもらいたい財産がある場合、契約書に具体的な内容を記載します。また、判断能力が低下した際に受けたい医療・介護サービスについても記載しておくことが可能です。(※ただし、法律に反する行為は対象外になります)

契約の内容は自由に決めることができるため、被後見人本人の意向が尊重しやすくなっています。被後見人は将来的に希望する内容を具体的かつ明確にした上で、契約を結びましょう。

メリット③:任意後見監督人が後見人を監督できる

3つ目のメリットは、任意後見監督人が後見人を監督できることです。被後見人の判断能力が低下したことで申立て(※申立人が家庭裁判所に行う)を行った場合、家庭裁判所が任意後見監督人を選任します。選任後、任意後見人は被後見人の支援と保護を行いながら、契約に沿ったサポートを進めていくのです。

任意後見監督人は、任意後見人が事務を正しく行っているのか監督します。監督する立場の人物がいることで、任意後見人の不正行為を防ぐことが可能です。

被後見人は、財産面や生活面で適切な支援や保護を受けられます。任意後見監督人は、任意後見制度を安心して利用できるために必要不可欠な存在と言えるでしょう。

任意後見監督人については、別の記事で詳しく解説します。

メリット④:将来への不安を減らせる

4つ目のメリットは、将来への不安を減らせることです。任意後見制度は将来への不安を減らすために、判断能力のあるうちに希望に沿った内容の契約を結べます。

例えば、親族や親交の深い人物に財産管理や処分を任せたい場合、任意後見制度を利用することで任意後見契約を結び、託すことが可能です。任意後見制度では被後見人の判断能力がある状況で人物や契約内容を決めるため、最大限に本人の意向が反映されます。

将来への不安や悩みを抱えている方は、任意後見制度を利用してみても良いでしょう。

任意後見制度の効力が生じるタイミング

任意後見制度の効力が生じるタイミングは、任意後見監督人が選任された後になります。申立人が家庭裁判所に申立てを行うことで、任意後見監督人の選定が開始されます。その後、家庭裁判所にて任意後見監督人が選任されるのです。任意後見人は業務を開始し、被後見人の支援や保護を行います。

申立人は、被後見人の判断能力が低下した際に家庭裁判所に申立てをします。申立ては被後見人本人がすることも可能です。任意後見制度を利用する場合は、被後見人の判断能力があるうちに、契約や話し合いを進めてください。

任意後見制度の手続き

任意後見制度は、被後見人となる人物が将来に備えるために活用する制度です。被後見人は任意後見人を選び、自らの希望に沿った後見内容を決めます。契約後、被後見人の判断能力の有無によって、申立てが行われるようになっています。

以下が、任意後見制度を利用する際の流れです。

1.任意後見人が制度の利用を検討する
2.任意後見人を選ぶ
3.任意後見契約を結ぶ(※被後見人の希望に沿った後見内容を公正証書で作成)
4.被後見人の判断能力が低下する
5.申立人(※被後見人本人を含む)が家庭裁判所へ申立てをする
6.家庭裁判所が任意後見監督人を選定する
7.任意後見監督人が選定される
8.任意後見契約の効力が生じる
9.任意後見人の業務が開始される(※任意後見監督者人が任意後見人を監督する)

被後見人本人以外の方が家庭裁判所に申立てをする場合、被後見人本人の同意が必要になります。ただし、被後見人が意思表示できない時は、その限りではありません。任意後見制度を利用する際は周囲と話し合いを行いながら、手続きを進めるようにしましょう。

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結論

今回の記事では、任意後見制度のメリットや効力が生じるタイミングを解説しました。任意後見制度は将来に備えた制度であり、被後見人の意向が尊重しやすくなっています。現在、判断能力のある方の中で将来への不安を取り除きたい方は、任意後見制度を検討してください。任意後見制度に関することは専門家に相談することで、早めに解決できるでしょう。一人で問題を抱え込まず、一度弊所にご相談ください。

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